『インヒアレント・ヴァイス』(C)2014 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RE

『マグノリア』や『ザ・マスター』などの作品で知られるポール・トーマス・アンダーソン監督が、米文学界の異才トマス・ピンチョンの小説を映画化した『インヒアレント・ヴァイス』の予告編映像が公開になった。これまでも様々な手法を駆使して観客を驚かせ、賞賛を集めてきたアンダーソン監督らしく、予告編映像も最後まで展開の読めない映像になっている。

『インヒアレント・ヴァイス』予告編映像

本作は、ロスで暮す私立探偵のドックが元恋人のシャスタから調査を頼まれたことをきっかけに、殺人の濡れ衣を着せられながら、失踪した不動産王の行方や、土地開発の絡む巨大な陰謀に迫っていく様を描いた作品。『ザ・マスター』に続いてホアキン・フェニックスが主演を務め、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロが出演する。

このほど公開された予告編は、主人公のドックに元恋人から依頼が持ち込まれる場面から始まって、彼が調査する様が描かれる定番の構成だが、観客をアッと驚かせるシーンが次から次へと登場する。ドックが警察官とすれ違うだけのシーンで予想外の出来事が起こり、ブローリンはなぜか日本語でパンケーキを注文。フェニックスもメーターを振り切った演技で観客を翻弄する。また、アンダーソン監督と撮影監督のロバート・エルスウィットは全編を35ミリフィルムで撮影しており、70年代のアメリカを再現した美術、衣裳や映像にも注目だ。

アンダーソン作品は練りに練った脚本と魅力的な人物描写で知られるが、暴力や衝撃的な表現を巧みに駆使して観客を刺激し、翻弄し、スクリーンに惹き付けてきた。このほど公開された映像もひと筋縄ではいかない展開が次から次へと登場しており、最新作もこれまで同様、まだ誰も観たことがない、観客の予想の遥か上をいく作品になりそうだ。

『インヒアレント・ヴァイス』
4月18日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田ほか全国公開