「CP+2015」のサンディスクブース

カメラと写真映像の総合展示会「CP+2015」が2月15日に閉幕した。最先端のデジタルカメラや周辺アイテムが一堂に会し、多くのカメラファンが来場した。そのなかでデジタルカメラに必須のアイテム、メモリカードの分野ではサンディスクが注目を集めていた。メモリカード市場をけん引するサンディスクは今後どの方向に市場をリードしていくのだろうか。

デジタルカメラの周辺アイテムとして必要不可欠なのがメモリカード。SDメモリカードやコンパクトフラッシュ(CF)カードなどがその代表例だ。これらのメモリカード、実は、撮影した写真や動画データを単に保存できればいい、というものではない。例えば、書き込み速度は連写や動画の連続撮影などにおおきな影響を及ぼし、カメラの性能を左右する。そのため、メモリカードはデジタルカメラとともに進化を続けているアイテムなのだ。

このメモリカード市場を引っ張るのがサンディスク。2014年の年間販売数量No.1のメーカーを表彰する「BCN AWARD 2015」を「メモリカード部門」で受賞、日本の家電量販店などの実売に裏付けられたトップメーカーだからだ。

サンディスクがここまで高い支持を受けている理由の一つが信頼性だ。ワールドワイドで展開しているサンディスクは、世界中のカメラとのマッチング検証を徹底して行っている。また、世界のカメラメーカーもサンディスクのメモリカードとの互換性テストを実施している。

つまり、サンディスクとカメラメーカーの双方が、互いに製品の動作検証を実施しており、データの読み書きや保存の確実性・信頼性が、より高められている。そのため、サンディスクのメモリカードはトラブルが極めて少ない。「カメラがメモリカードを認識しない」「突然データが消えてしまう」といったことがほとんどないのだ。こうした高い信頼性が市場の支持に結びついているわけだ。

●カメラとメモリカードを取り巻く環境が大きく変化

いま、デジタルカメラとメモリカードを取り巻く環境が大きく変化している。特に動画の分野が顕著だ。特に、これまではフルHD画質の録画がスタンダードだったが、現在の用途は4Kにまで広がってきた。

サンディスクの青柳マテウ代表取締役は「いま、4K画質の動画を撮影できるカメラが登場している。今後、さらに4K対応カメラが普及していくだろう。これまでのフルHD動画と同じ時間、撮影をしようと思うなら、メモリカードは大容量なものが必要になる。東京オリンピックが開催される2020年には8Kの製品も多くなり、4K対応カメラはスタンダードになるはず」と話す。

また、動画だけではなく写真データも大容量化している。カメラの高画素数化が進むにつれて1枚あたりの容量が大きくなっているからだ。高精細、高画素化、そして大容量化の時代を睨み、サンディスクは2014年12月にSDメモリカードで512GBと世界最大容量(2014年12月末時点)の「サンディスク エクストリーム プロ SDXC UHS-Iカード」を発売した。こうした時代に先駆けた製品をリリースできるのもサンディスクの強みといえる。

今後、サンディスクはデジタルカメラ向けのCFカード、SDメモリカードだけではなく、スマートフォンやタブレット端末向けのメディアにも力を入れていく。「いま伸びているのはスマートフォンやタブレット端末向けのメモリカード。Android端末などスロットがある端末向けにはmicroSDカードを、スロットがないiPhone/iPadにはLightningコネクタで接続できるUSBフラッシュメモリ『iXpandフラッシュドライブ』を提案していく」と青柳代表取締役は話す。

スマートフォンやタブレット端末で写真や動画を撮影する人は、これからも増え続けるだろう。さらに4K動画を撮影できるスマートフォンも登場するなど、大容量化も進んでいる。大容量のmicroSDカードやUSBフラッシュメモリの需要も拡大しており、サンディスク活躍のフィールドはさらに広がりそうだ。