えんそく・ミド(B) 撮影・フクシアヤミ

――Tポイントの話はさておき、無料ライブって、既存のファン以外の集客がのぞめる一方、リスクのあることだと思うんです。無料ライブだけみて「楽しかった~」で、次につながらない可能性もあるじゃないですか。いいライブをする自信がないと出来ないことでは。

ぶう:結局ボクらなんて、ものすごい男前が集まっているわけではないし、中高生が涙するような恋愛ソングを書いているわけでもないから、まずはライブを見てもらわないとしょうがないんですよね。

えんそくに対しての偏見とまではいわないけど、誤った前情報を持っている方もいるでしょうし。だから、徹底的にライブを見やすい状況を作るしかないですよね。

ミド:普通に考えたら、対バンで見てもらうのが一番いいですよね。とっかかりとして。でも我々、呼ばれないんですよ……、対バンに。

クラオカ:どうして呼ばれないんですか~~?(遠くを見つめながら)

ぶう:呼ばれないし、こっちから声かけても、やってくれないっすね。

クラオカ:ボーカルが太りすぎてるせいでしょうか?

えんそく・クラオカ(G) 撮影・フクシアヤミ

ミド:それに無料だと「なんか違う」って思っても、無料だからそのまま会場を出ることもできる。無料だから気軽に楽しんでもらえるんじゃないかな。

ぶう:今の時代、ライブハウスまで足を運んでライブを観ること自体が、すでに手間だと感じているじゃないですか。

ミド:でも皆、世の中の人は渋谷好きでしょ? 90%は渋谷好きでしょ(※無料ライブの会場は渋谷)。

ぶう:すごい雑な数字出してきたな? でも俺等5人、渋谷好きなヤツひとりもいないじゃん。

ミド:だからバンドやってるんですよ。

Joe:なんとか社会に迎合するために? ライブをすれば渋谷に行けると?

――話を戻しましょう。エンターテイメント業界を全体的見ても、世の中の人の可処分時間の取り合いになってるわけじゃないですか。無料ワンマンをすることで、ライブへ行くことに対するハードルを下げましょうということですよね。

はい、ここで今回の本題です。世の中にはまだえんそくのライブに興味をもっているけど、まだ観たことがないという人もいるかもしれない。そのために、今回先生に扮した皆さんに「えんそくを楽しむポイント」をレクチャーしていただきたいと考えています。

まず、ミドさんは「オシャレしてくる必要なし!!」だと。

えんそく・ミド(B) 撮影・フクシアヤミ

ミド:世の中には、「渋谷に行くならいい服を着ていかないといけないんだ!」っていう人も多いでしょう。

Joe:すげえ偏見だ……。

ミド:えんそくのライブは、極論、寝間着できてもいいわけです。推奨はバンドTシャツと動きやすい靴とズボン。それが制服みたいなものですよね。

――ライブハウスだからといって、身なりに関しては気後れすることはないということですね。

ミド:本質はどこかっていう話ですよね。ライブを楽しむことですよね。

Joe:もちろん、おしゃれが楽しい子を否定するわけではないです。

ぶう:「ゴスロリは戦闘服」みたいな価値観、ライブハウスという特別な場所で、特別な服を着るというのは、嫌いじゃないですけどね。