大澄賢也、河村隆一  撮影:石阪大輔 スタイリスト:Kazu(WORLDSTYLING) 大澄賢也、河村隆一  撮影:石阪大輔 スタイリスト:Kazu(WORLDSTYLING)

様々なジャンルが交差するショー『THE SHOW INFECTED "CONNECTION"』に、スペシャルゲストとして河村隆一の出演が決定。構成・演出・振付の大澄賢也とは、河村がミュージカルに初挑戦し、大澄が出演および振付助手を務めた08年の『CHICAGO』以来の仲だ。

THE SHOW INFECTED "CONNECTION"チケット情報

「隆一くんは、歌うことにとても柔軟。『CHICAGO』の時も、『そんなに無防備でいいの?』とこちらが心配してしまうほどフラットに役と向き合っていました。歌の力は勿論、人間性も素晴らしいので、出演してもらおうとひらめいたんです」と大澄は語る。河村も「『CHICAGO』では何から何まで賢也さんに教わって。賢也さんのダンスは、柔らかくて色っぽくて、自分が歌で追究する表現に通じます。その賢也さんに呼んでいただいたので、やりますと即答しました」と言う。

ショーは二部構成。一部では、現代からタイムスリップしてきた男性(中川晃教)と未来の女性(蓮水ゆうや)の出会いが描かれる。「一部で隆一くんに演じてもらう役はすべてを俯瞰する“神”。歌にも存在感にも成熟と説得力をもつ隆一くんが参加することで、シンガーで言うならアッキー(中川)や蓮水さんと、良いトライアングルができると思います。二部は、様々な組み合わせで、シンガーやダンサーとコラボしてもらいます」と大澄。

河村のキャリアの中で、このショーは分岐点になるかもしれない。「ショービジネスの世界はお客様が来てくれなければ成り立たないので、“まずはこのライブハウスを、次はより大きな会館を一杯にしよう”とやってきました。でも次第に、数だけでは満たされなくなり、もっと技術を求めたり、譜面に忠実に歌うことを重視したり、あるいは、メロディーが多少壊れても語ることを意識したら感情が伝えられるんじゃないか……など、色々と冒険をしてきました。歌手として第何期かに入った今、このショーは新しいものを生み出す絶好のチャンスだと考えているんです」

クラシックを皮切りに様々な音楽が綴られるこの舞台は、河村自身の音楽体験とも重なる。「父は指揮者のカラヤンが好きなクラシック愛好家で、母はビートルズ好き。ジャズを聴くようになったのは大人になってからですが、ポップスにもロックにもジャズ・フレーバーの曲は結構あるんですよね。20年前にイタリアを旅行した時には、テノール歌手アンドレア・ボチェッリのアルバムを聴いて発声に興味を抱き、最近は年1回、『ノーマイク・ノースピーカーズコンサート』を行っています。このショーに来てくださる方がどんな感動を持って帰るのか――芝居、ダンス、歌、ある1フレーズかもしれないし、さらに照明も臭いも汗もある。そうしたところから、新たなジャンルが生まれれば、と願っています」

公演は3月19日(木)から東京・天王洲 銀河劇場にて。2月28日(土)午前10時より全キャストの未公開ビジュアルを組み合わせたCONNECTIONフォト付チケットを発売予定。

取材・文:高橋彩子