――そんなAliceNineの魅力をさらに深堀りしたいのですが。

A:うーん、一言で説明するのは難しいバンドだとは思います。

C:わかりやすいところで言うと「見た目のカッコ良さ」?

B:ヴィジュアル系は見た目のインパクトはあってなんぼだと思うので、ヴィジュアル強いのは凄く良い事だと思います。

A:で、その綺麗なヴィジュアルにふさわしいアートワークと曲をやっている。そういうのを求められてるって分かっている感じが良いんです。

B:でも良い意味で完成されていないというか、スキもあるというか、自然体な部分は自然体で、親しみやすいところも残っているのがAlice Nineの良さだと思っています。

C :ファンと目線を合わせてくれていて、等身大なんですよね。私も色々なバンド聴きますけど、他と比べて、目線の位置とか精神的な距離が近いというか。そういう姿勢を一生懸命出そうとしてくれるんですよね。すごくアットホームなライブだと思っていて。でもお客さんを弄るとか砕けた感じで友達感覚というわけでもなくて、適度な距離感が心地よくて、色んなバンドのライブに行きますけど、やっぱりAlice Nineが落ち着くというか、実家みたいな感じです(笑)。

B:この人達の最初のテーマは「ファンと近く」「ファンと一緒の目線で」みたいな感じだったもんね。

C:懐かしいねー。そういうのがあったから『NUMBER SIX.』作ったんだもんね。

 

――『NUMBER SIX.』とは?

A:06年に「DVDシングル」という形でリリースされていているんですけど、30分ぐらいの青春ドラマの後に曲が始まるんです。メンバー全員が演技していて、確か虎さんが脚本書いたのかな?そんな斬新な試みをしていまして…(笑)。

B:あれはとんでもなかったよね(笑)。

C:昨年富士急でやった10周年記念ライブでもこの曲のアコースティックバージョンのCDを来場者に配布していますし、メンバーにとっても大事な曲なんだと思います。

A:ファンの皆とのことを歌っている曲だから、大事にしている曲だから、ってセルフカバーしてこれからも大切にしていく姿勢がまた良いなと思いました。そのアコースティックの『NUMBER SIX.』がまた良いアレンジだったんですよー。

C:AliceNineってちゃんと自分たちの過去を顧みながら進んで行ってくれるんですよね。そういう節目節目を映像だったり、音源配布だったり、来場者にオリジナルグッズのプレゼントだったりできっちり締めてくれる感じって、AliceNineの凄く魅力的な部分ですね。

――さきほどファン目線という話が出ましたけど、今でこそヴィジュアル系の中で「ファン目線のバンド」を打ち出すバンドも珍しくないじゃないですか。それをかなり早い段階でAlice Nineはやっていたということでしょうか。

A :元々それ以前からそういうバンドはいたのかもしれないけど、それを一番上手く形にして届け始めたのはもしかしたれらAliceNineなのかもね。だってファンクラブイベントでホストクラブモチーフの企画やっちゃうぐらいだし(笑)。きっと究極のおもてなし精神をの表わそうという姿勢からだと思うんですよ。ニコ生の企画とかでも体を張って笑いをとったりして、「そこまでやっていいのか?!大丈夫?!」ってところまで提供する。エンターテイメントを作り出して楽しませる姿勢を見せるということが出来るバンドではあると思います。

B:ファンミーティングとか、よくやりますよね。

A:あとファン目線ってところに通じるかわからないんですけど、AliceNineって私たちの人生、冠婚葬祭にまで食い込める曲が多いというか…。友達が結婚式場で働いているんですけど、AliceNineを結婚式で流したカップルが2~3組いたとか。

D:すごいね!どれ流したんですかね?

A:確か『Waterfall』、『the beautiful name』だったかな。

C:おー!

D:良いですね。

A:私、失恋したときは『MIRROR BALL』を聴いてたし、高校の卒業前は登校する時毎日『春夏秋冬』を聴いていました。AliceNineの楽曲って、自分の人生の節目を綺麗に飾ってくれるような、自分を投影して背中を押してくれるような力を持ったものが多いと思います。世の中とか時代とかを憂いたり、怒ったりするんじゃなくて、私たち一人一人が頑張る為の曲。「君の為の曲だよ」って言われているような曲っていうか。

B:将くんも何かのインタビューで言ってた気がする。「曲に出てくる“君”は特定の誰かじゃなくて、ファン一人一人の事だよ」みたいな。

A:うんうん。個人的な考えなんですけど、AliceNineは「対・誰かの為のバンド」な気がします。

――「対・誰かの為のバンド」?

A:元々「このバンドがダメだったら音楽の道を諦めよう」って思ってAliceNineを始めたメンバーいたから、きっと「売れたい!」というと言い方が悪くなるかもしれないけど、「誰かに必要とされたい!」という動機で始まったバンドだったんですよ。だから絶対に貫きたい音楽性があって、「こういう音を出したい、こういう音楽をやりたい」って思いより、「自分たちが何かすることで、とにかく誰かの気持ちを動かしたい」ってところが先に来て始まってるんですよね。その外に向かった意識のことを「対・誰かの為のバンド」って私は思うんですけど。Dさん的にはその辺どうですか?(笑)

D :えー!私に振っちゃう(笑)? そうですね…、いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンというか、「アーティストに憧れられるタイプ」のバンドではないのかな、と思いますね。男の人ってやっぱり「俺について来い!」的なタイプのバンドに憧れるのかな?

A:わかりやすく一貫された音楽性ではないですし、例えば「とにかく重低音!」、死ぬほど歌がうまい!」、みたいなシンプルな魅力のバンドじゃないから挙げづらいってのもあるでしょうね。

C:華やかでイケメン揃いなところが男受けが悪い要素なのかも。

A:もっといろんなとこでAliceNine聴いてる事を言いまくって、AliceNine聴いてる事がクールとされる風潮を作っていきたいですね!