IoT×住宅は定着するのか?(エコーネットコンソーシアムの資料より)

「スマートホーム」「IoTホーム」などと銘打った一般家庭向けの新しいサービスが続々と登場している。一方、国が補助金を出して普及を進めているのは、家庭での消費エネルギー量をおおむね「0」とする省エネ・創エネの住まい「Net Zero Energy House:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH、ゼッチ)」で、その要件の一つに「Home Energy Management System(HEMS、ヘムス)」がある。ややこしいことに、スマートホームサービスで提供される機能に、オプション対応を含め「HEMS」の要素を含む場合と含まない場合があり、混乱しやすい。ここでは、パナソニックのスマートHEMS「AiSEG2」を一例に、家電と住宅設備の連携の現状についてまとめた。

パナソニックのスマートHEMSが機能強化 つながる機器を拡大

パナソニック エコソリューションズ社は、家庭内のさまざまな家電や住宅設備機器をインターネットにつなげて連携させる住宅向け「HOME IoT」の中核機器「AiSEG2(アイセグ2)」のバージョンアップを行い、10月22日に発売する。販売目標は2018年度に3万台。

「AiSEG2」は、以前は別々だった本体とモニターを一体化し、価格を約40%ダウン。本体のみのタイプも用意し、その場合、モニターは手持ちのスマートフォンやタブレット、「ビエラ」などで代用できる。

今回のバージョンアップでは、スマートスピーカーの連携機能を搭載し、つながる機器数は、従来の13社26機器から、「Google アシスタント」搭載スマートスピーカーを含む業界最大の20社33機器(対応予定分を含む)に拡大する。パナソニック製品が多いが、エアコンの場合はシャープ、ダイキン、富士通ゼネラル、三菱電機の対応製品でも連携できる。また、ドア・窓センサーに加え、パナソニック製宅配ボックスと連携可能な宅配ボックス用センサーを新たに発売する。

バージョンアップ後、ノーリツのガス給湯器・床暖房など8機器は、スマートスピーカーに向かって話しかけることで操作が可能になる。これら新機能は、既存の「AiSEG2」でもインターネット経由でファームウェアをアップデートすると利用できる。

家電・住宅設備の機能連携を支えるECHONET Lite AIF

「料理中で手が離せない時でも、声でお風呂の湯はりや、床暖房のオン・オフができる」と聞けば、スマートホームに俄然興味が湧くかもしれない。具体的には、「AiSEG2」とノーリツの9月発売のECHONET Lite AIFアダプター機能を搭載した無線LAN対応給湯器リモコン「RC-G001EW」と組み合わせると、音声を利用した遠隔操作が実現する。

一般会員企業164社、一般準会員企業37社で構成するエコーネットコンソーシアムは、家電や住宅設備を有効活用するために、政府が推奨する標準インターフェース「ECHONET Lite」と「ECHONET Lite AIF仕様」に関する資料を公開している。

2012年2月に策定した「ECHONET Lite」の反省点をもとに新たに策定した「ECHONET Lite AIF仕様」は、家電や住宅設備の種類ごとに、インターフェースだけでなく機能や振る舞いを定義したアプリケーション通信インターフェース。実機による相互接続試験と第三者認証制度によって異なるメーカーのHEMSコントローラと家電・住宅設備機器を簡単に接続でき、この規格の策定によって機器連携のハードルが下がったようだ。

とはいえ、「ECHONET Lite AIF対応」では、一般には伝わりにくく、「スマートスピーカー連携」として、各社・各サービスとも特徴をアピールしていくだろう。スマートスピーカーの特徴の一つにはAIも含まれるが、AIの定義が曖昧なため、ますます分かりにくい。ソフトウェアアップデートで進化するデジタルと、以前は建築時のまま変化のなかった住まいの融合はまだ始まったばかりだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

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