スマートフォン・通信速度測定結果(下り)

クロス・マーケティングは、携帯キャリア4社のAndroid端末・iPhoneの計6機種を対象にデータ通信速度などを調査したICT総研の「2011年下期スマートフォン電波状況実測調査」の販売を開始した。

首都圏28地点、東海・関西26地点、東北18地点の全72測定地点でデータ通信速度を測定。調査期間は、2011年10月19~23日の9~17時。測定結果は最大値ではなく、平均値を採用した。端末は、NTTドコモ「MEDIAS WPN-06C」、KDDI(au)「iPhone 4S」、au「Xperia acro」、ソフトバンクモバイル「iPhone 4S」「003P」、イー・モバイル「S41HW」で、1機種あたり合計1080回測定した。その結果、キャリア各社のインフラ品質強化や、新型端末のスペック向上、高速通信サービスの導入などによって、2011年5月の前回調査に比べ、通信速度が向上したことがわかった。

首都圏の下りは、KDDI(au)のAndroid端末が最速で1.10Mbps。次に早かったのは、ソフトバンクモバイルのiPhone 4Sで1.06Mbps。前回調査では振るわなかったソフトバンクの通信速度が大きく改善された。東海・関西は、下り1.48Mbps、上り1.11Mbpsで、イー・モバイルが下り・上りともにトップ。東北は、下りがauのAndroid端末が最速で1.27Mbps、上りはイー・モバイルが最速で0.90Mbpsだった。東北での電波状況が改善されていないソフトバンクモバイルは、auやイー・モバイルと大きな差があった。NTTドコモは、前回調査と同様、どの地域でも上りの通信回線速度が振るわなかった。

ソフトバンク対auでiPhone 4Sの速度を比較すると、理論上はソフトバンク版が圧倒的に優位だが、実測ベースではあまり差がないことが検証された。東北では、au版が下り1.03Mbps、上り0.63Mbpsで、ソフトバンク版の下り0.68Mbps、上り0.38Mbpsを上回った。

このほか、YouTubeの接続成功率を、2011年10月19~21日、昼間(9~17時)と夜(17時30分~19時30分)に分けて山手線内主要駅で測定したところ、昼は各社ともにほぼ100%を記録した。しかし、回線が混雑する夜は、NTTドコモが93.3%と、高い動画接続成功率を記録する一方で、auが86.7%となるなど、他のキャリアは接続成功率が低下した。NTTドコモはデータ通信の上り回線速度で劣る傾向があるものの、下り回線では全国的にどのエリアでも著しく劣ることなく、安定した品質を示した。