「渋谷すばる」を知らない人の心もつかんだ圧倒的な声

それから約1年後、昨年秋にソロで出演したライブイベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル2014」でも、渋谷さんは関ジャニ∞の曲などに加えて『スローバラード』を熱唱。生で聴く「渋谷すばるの『スローバラード』」はテレビで見た時よりも切なく、サビではその独特の声と声量を活かし、見る人を圧倒していました。

そのイベントにはさまざまなアーティストが出演し、それぞれのファンが集まっていたのですが、「関ジャニ∞」と聞いて、「アイドルの歌なんて…」と休憩タイムに入ろうとした人を思わず立ち止まらせた、という話も聞きました。

そして今回のソロライブ。2度目の生の『スローバラード』は立ち見だったため、渋谷さんの姿はほぼ見えませんでしたが、「歌の想い」は十分伝わりました。そしてまたホロッとしました。
 

アンコールにはあの『ピアノマン』を熱唱

映画『味園ユニバース』完成披露試写会でのライブより

かつてRCのライブを見ていた私としては、カリスマ的存在の忌野清志郎の曲をカバーするのは勇気のいることという気がします。しかし現在33歳で、RCのライブを生で見たことがないであろう渋谷さんだからこそ、真っ白な状態から自分の『スローバラード』の世界を作り上げ、歌うことができたのかもしれません。

なお、この日は他にもデビューシングル『記憶』の中の4曲や関ジャニ∞の曲、さらにはアンコールで『ピアノマン』を歌い、「sing us a song, I’m 関ジャニ∞/sing us a song forエイター(関ジャニ∞のファンのこと)」と歌詞を変え、集まった大勢のファンを最後まで興奮させました。

ちなみに、『記憶』には『乗っかりトレイン』という曲が入っていますが、これはRCの『雨上がりの夜空に』へのオマージュと確信しています。

会社員からテレビ番組やDVDなど映像関係の英日翻訳者を経てライターに。 ハーバルセラピスト、アロマセラピーアドバイザーの資格あり。子供の頃からお笑い好きで、当時読んだ「落語全集」は宝物。でも、なりたかったのは落語家ではなく小説家。今、こうして文章を書いて人に伝える仕事をしていることに喜びを感じてます。