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今春に公開になるディズニーの最新作『シンデレラ』の日本語版で、シンデレラを演じる高畑充希と王子を演じる城田優が、日本版エンドソング『夢はひそかに(Duet version)』を歌うことになった。これまではシンデレラだけが歌っていたナンバーはなぜ、デュエットされることになったのだろうか?

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本作は、有名な“シンデレラ”の物語を、英国演劇/映画界の巨匠ケネス・ブラナーが実写映画で描き出す超大作。新鋭リリー・ジェームズが美しくて愛らしいシンデレラを演じ、ケイト・ブランシェットが恐ろしいまま母を、ヘレナ・ボナム=カーターがカボチャを一瞬にして馬車に変えるフェアリー・ゴッドマザーを演じる。

『夢はひそかに』は、1950年のアニメーション映画『シンデレラ』の主題歌で、どんなつらいことがあっても、信じていれば、いつか夢は叶うというメッセージが美しい旋律で歌われる。実写映画でもこの楽曲が使用されるが、日本語版ではシンデレラ役の高畑だけでなく、王子役の城田も歌唱。ふたりの声が重なって、美しいハーモニーが生まれている。

近年、ディズニーは『アナと雪の女王』や『マレフィセント』などの作品で、伝統的なファンタジーの物語やキャラクターを現代の観客の心に響くように描き、高い評価を集めているが、間もなく公開になる『シンデレラ』でもオリジナルを尊重しながら、さらに深い描写がなされている。その最大のポイントはポスターにも記載されているシンデレラの“勇気”だ。これまで描かれてきたシンデレラは厳しい現実に耐え、何があってもくじけない娘として描かれてきたが、2015年のシンデレラはそれらの要素に“勇気”が加わった。本作でシンデレラは強い意志を持ち、どんな境遇であっても優しさと希望を失わず、自身の運命に勇気を持って立ち向かっていく。

また、本作では王子の姿もしっかりと描かれている。これまでの『シンデレラ』に登場する王子は、“美しい娘”を結婚相手に探している人物で、彼に選ばれるかどうかが“幸福”になれるかどうかを決めていた。しかし、本作で彼は単なる“王子”ではなく、ちゃんとした名前があり、自らの考えを持ち、自分がやがて王国を継ぐというプレッシャーを感じながら、心から愛せる相手と、気持ちが通じ合った状態で共に生きていきたいと思っている。

映画『シンデレラ』の王子とシンデレラは“選ぶ/選ばれる”の関係ではなく、それぞれが意志を持ち、心から愛することのできる人物を捜し求めているキャラクターとして描かれる。日本語版ではそんなふたりの声で『夢はひそかに』が歌われることで、シンデレラと王子の想いや、運命の人に出会えた幸福がより観客に伝わるのではないだろうか。

『シンデレラ』
4月25日(土) ロードショー