さて、通常の電車や新幹線のようにホーム的なものを想像していたのですが、扉をくぐるとすぐリニア。トンネルを抜けるとそこは……ならぬ“扉をくぐるとそこはリニアだった”という感じです。中は見知った新幹線にそっくり。

 

電光掲示板に最新のニュースが流れたり、車内販売のお姉さんがワゴンを押して出てきても何ら違和感ありません。座席にはよく見るレバーを横にひねって前に倒すタイプの机もついてます。

 

今日はまず実験センターから東京方面へ上野原市まで向かって270㎞に到達、その後今度は名古屋へ向かって最高速度500㎞まで持っていき、笛吹市に至ったところで折り返し再び500㎞で上野原市を目指し、その後実験センターへ戻るという30分ほどの行程。

 

前方画面に映し出されるこの日の行路

行ったり来たりしながらたっぷりと乗せてくれ、なかなかに太っ腹です。この行程表は座席前方の画面に映し出されます。

そんな車内ウォッチもあらかた済んだところでいよいよリニアが発車。

 

座席前方画面には様々な情報が映し出される

 

何といっても時速500㎞ですから、グーッとキツいGが掛かってきそうなものですが、走り出してタイヤでの走行から磁気浮上に切り替わる時こそややブルブルとした振動はするものの、それとて飛行機の着陸時に比べれば微々たるもの。

リニアはすぐさま200㎞ほどに至りますが、「え、本当に走ってるの?」と思わせるほどの静けさです。とてもそんな速度で走ってるようには思えません。

その印象は速度が上がっていっても変わらず。あんまり静かで落ち着いた高速体験に何だかビールとアタリメで一杯やりたくなってしまいます。しかしそんなどうでもいい心境に構うことなくリニアはどんどん速度を上げ、遂に時速500㎞を達成。

 

周りと一緒に思わず「おぉ」なんて声を上げてしまいます。この時、地上で最も速い男となった記念すべき瞬間です(未確認)。

 

この日の最高速度502㎞

その後リニアは徐々に減速して実験センターへ戻りますが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ならタイムスリップが可能な160㎞あたりでも「遅いな」なんて感じてしまうから、人間の慣れとは恐ろしいもの。しかし、実験センターへ着き降車する頃には、乗車したみなさんのホクホクした顔が印象的でした。