SDメモリカードの新時代が到来 大容量化・高速化の次は無線LAN機能

2012.2.15 12:51配信
サンディスクのSDHCカード「エクストリーム プロ SDHC UHS-I カード」、SDXCカード「エクストリーム プロ SDXC UHS-I カード」

デジタルカメラは高画素化、連写機能の高速化、動画撮影機能の搭載など、進化を続けている。デジタルカメラの進化に合わせて、縁の下の力もちともいえるメモリカードも着実に変化している。SDメモリカードの現状と、未来のビジョンをまとめた。

●大容量化はどこまで進むか? 「4K2K」時代の到来で変わるSDメモリカード

デジタルカメラやビデオカメラ、ポータブルカーナビゲーション、電子辞書、スマートフォン、パソコン……と、さまざまな機器に外部ストレージとして採用されているSDメモリカード。SDメモリカードを選ぶとき、ユーザーが頭を悩ませる要因の一つが、種類の多さだろう。大きさの異なるSDとminiSD、microSDの区別はさておいても、同じサイズのSDメモリカードで、最大容量の異なるSD、SDHC(SD High Capacity)、SDXC(SD eXtended Capacity)があり、さらに転送速度を表す「スピードクラス」表記がある。まずはこれらの違いを把握しよう。

まずは容量。SDメモリカードは「容量の壁」といわれる規格上の容量限界がある。SDメモリカードは規格上2GBまでで、大容量化するために2006年に最大32GBまでの「SDHCカード」が、2009年に最大2TBまでの「SDXCカード」が生まれた。

容量の制限についてメモリカードのリーディング・カンパニー、サンディスク マーケティング部の大木和彦ディレクターにたずねた。「松下電器産業(現パナソニック)と東芝、サンディスクが、1999年にSDメモリカードの規格を発表したとき、ここまで大容量のカードが必要になるとは思っていなかった。しかし、デジタルカメラは当初の有効30万画素から、いまや1000万画素を超えて高画素化が進んでいる。画素数が上がれば撮影するデータ容量が増え、大容量のSDメモリカードが必要になり、新しい規格を策定することになった」と説明する。

現在、製品としては最大容量128GBの「SDXCカード」が登場しているが、規格上は最大2TBまでの大容量化が可能だ。ここまで容量があれば十分だと思ってしまうが、大木ディレクターは、「ハイビジョンの4倍の解像度をもつ『4K2K』テレビが普及すれば、その解像度で映像を残したい、というニーズが出てくる。そのとき、さらに大容量の規格が生まれるだろう」と話す。

●快適さを求めて高速化に拍車、最大速度と最低速度をチェック

画像や動画のデータ容量が大きくなればなるほど、SDメモリカードからPCに転送するときに時間がかかる。データ転送のイライラを解消するには、「最大転送速度」が速いSDメモリカードを選べばいい。転送速度は「MB/秒(s)」で表記され、これは1秒間に転送できるデータ容量を表している。つまり、記されている容量が大きければ大きいほど、高速ということだ。また同時に、SDメモリカードの速さを生かす高速転送対応のカードリーダを使わなければならない。

最大転送速度が速いSDメモリカードは、例えばデジタル一眼カメラで連続撮影を行うときにも威力を発揮する。最近のデジタル一眼は、「秒5コマ」から「秒10コマ」など、高速連写機能が充実したモデルが多いが、シャッターを切って撮影を始めても、SDメモリカードにデータを書き込む速度が遅ければ、連続撮影は途中で止まってしまう。リズムよく連写するためには、カメラの連続撮影速度に見合った高速のSDメモリカードを選びたい。

SDメモリカードにはもう一つ、転送速度を表す「スピードクラス(Class)」の表記がある。「スピードクラス」は、SDHCメモリカードから表記が義務づけられたもので、動画撮影をするときの目安になる規格だ。動画撮影は連続して大量のデータをカードに書き込むので、データ転送速度が一定水準以上であることが要求される。

クラスは「Class2」「Class4」「Class6」「Class10」の4種類があり、動画撮影に必要な速度はカメラの仕様に記されている。ハイビジョン映像やフルHD動画を撮影するなら、「Class 6」以上のメモリカードが安心だ。

新たなスピード規格「UHSスピードクラス」もある。高速インターフェース規格のUHSに対応した製品に表示するもので、現在は読み書き時のデータ転送速度が最低でも10MB/s以上を保証する「Class 1」が定められている。

●ビッグウェーブは無線LAN機能? アイファイジャパンに続いて東芝が参入

大容量化、高速化と進化を続けるSDメモリカード。2012年は新たな道へ歩みだそうとしている。それが「無線LAN機能」の搭載だ。

無線LAN機能をもつSDメモリカードを初めて市場に投入したのはアイファイジャパンだ。2008年12月に、デジタルカメラ用SDメモリカード「Eye-Fiカード」を発売した。無線LAN環境下で、「Eye-Fiカード」を差したデジタルカメラからPCへ画像を転送したり、インターネットに接続してTwitterやFacebookなどのSNSへ画像をアップしたりできる。

簡単にその場で写真を共有でき、撮った後の楽しさを広げる無線LAN機能。今年は東芝がこの市場に参入する。東芝の無線LAN機能搭載SDメモリカード「FlashAir」は、アクセスポイントの機能をもち、無線LAN環境がなくても、近くにある無線LAN対応機器に画像や動画などのデータを転送することができる。

「Eye-Fiカード」もスマートフォンやタブレット端末に画像を送る「ダイレクトモード」を備えているが、ワイヤレス接続できる機器は1台だけ。「FlashAir」は4-5台の機器にデータを転送できる。また、SDメモリカードスロットを備えるすべての機器に対応し、画像だけではなく、動画、テキストなどのデータも転送できる。

東芝セミコンダクター&ストレージのメモリ営業推進統括部 メモリ新規ビジネス営業推進部の菊池光紀メモリカード担当課長は「例えば友人と記念写真を撮影するとき、これまではそれぞれのカメラで写真を撮ったが、『FlashAir』を差したカメラで写真を撮ると、その場で各自のスマートフォンに写真を送ることができる。目の前の人と写真や動画などのデータを共有する、という新しい使い方を提供できる」と語る。

「FlashAir」は3月上旬に8GBモデルを発売。価格はオープンで、実勢価格は6000円前後の見込みだ。

さらに今年は、無線LAN機能を搭載したコンパクトデジタルカメラとして、ソニーの「Cyber-shot DSC-TX300V」などが登場する。デジタルカメラをインターネットに接続する楽しさや便利さが消費者に理解されれば、無線LAN機能搭載のSDメモリカードももっと注目されることになる。SDメモリカードの進化に注目したい。(BCN・山下彰子)

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