撮影:引地信彦

『勇者ヨシヒコと魔王の城』のムダに贅沢な出演陣の起用方法

2011年に放送された山田孝之さん主演のコメディドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』。ストーリーは、ひょんなことから村人を疫病から救う薬草を取りに行くことになった青年・ヨシヒコが旅の途中で出会った仲間たちと共に冒険を繰り広げるというものでした。

ゲーム『ドラゴンクエスト』の要素を含んだこのドラマは、大物俳優を贅沢に起用。ヨシヒコの仲間で戦士役の宅麻伸さんは、心の奥底にはオネエの魂が宿っているという、今までに演じたことがないであろうキャラクターで、各回で登場するすぐやられる悪役には綾野剛さん、小栗旬さん、沢村一樹さんなどが出演。自ら志願して出た方もいたと聞きますが、それで本当に出すあたり、こちらも贅沢です。

そんなすごい俳優陣を贅沢に、というよりムダに贅沢に配したのが、脚本・監督を手掛けた福田雄一さん。以降、私は『ヨシヒコ』の意外な人たちの登場とそのバカバカしさにハマり、ほかの福田作品も見るようになり、そしてテレビだけでは飽き足らず、福田さんが手がける舞台へも足を運ぶようになりました。
 

『ヨシヒコ』のネタ元!?『モンティ・パイソンのSPAMALOT』

撮影:引地信彦

そんなわけで、先日、福田作品のコメディミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』を観劇。2012年の初演から2年の月日を経ての再演でしたが会場は超満員。これもムダな贅沢に満ち溢れた舞台でした。

『モンティ・パイソンのSPAMALOT』とは、1969年にイギリスで結成され、世界中で人気者になったコメディグループ、モンティ・パイソンの映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』を「愛をこめて抜粋した作品」。ちなみに『ホーリー・グレイル』は『アーサー王と円卓の騎士』のパロディで、さらに『ヨシヒコ』の元ネタと言っても過言ではない映画です。

日本版の主役・イギリスのアーサー王を演じたのは、初演同様ユースケ・サンタマリアさん。ほかにムロツヨシさんや皆川猿時さん、池田成志さんなど、おなじみのメンバーに加えて、今回は福田さんが監督・脚本を手がけたドラマ『ミューズの鏡』に出演し、声優としても活躍する平野綾さんが湖の貴婦人役を演じました。