人気だったローソンの「餃子ロボット」

19日に閉幕となったIoTの総合展「CEATEC JAPAN 2018」では、RFID(無線ICタグ)を使った無人レジ機などに力を入れるコンビニエンスストアのローソンが初出展のブースとして注目を集めた。

自動調理ロボットのコーナーでは、デンソーウェーブと協力した「餃子ロボット」の実演展示に人だかりができていた。中央に四個の餃子が作れる作業場を挟んで2台のアーム型ロボットが黙々と作業する。

まずは、奥のロボットが餃子の皮を設置し、手前にあるもう一つのロボットが自ら専用ヘラを装着して、餃子の具材をすくい上げる。お互いにぶつかりそうになると、どちらかが自動で停止し、動いているロボットの作業が終わったのを確認してから再び動き出す。来場者は、絶妙に呼吸のあった2台の動作を食い入るように見ていた。

次に、作業台の餃子の皮に、具材がキレイに盛り付けられていく。具材を皮に載せる際の押さえつけや、具材が専用ヘラにくっつくことなくキレイに離れていく動作も、目を釘付けにする。具材を盛り付けている間に、もう片方のロボットは、皮の外側半分に水分を付着させるためのスポンジ状の機材を、自分のアームに取り付ける。

次に、水分を含んだスポンジを取り付けた機材で、餃子の皮の外側半分を、やさしく湿らせていく。2枚の皮を湿らせた直後に、機材を取り換えることなく、そのまま作業台の持ち手部分を持ち上げながら、二個の餃子を包み込んでいくシーンからも目が離せない。

餃子の皮に具材を包んだ後は、二つの持ち手を上からギュッと押さえつける。すると具材はキレイに皮に包まれ、焼いた時に具材が漏れないようにキザキザの波を打つようにしっかりと包み込まれている。

スポンジ状の機材はここで終了となり、次にプラスチック製のスプーンを取り付けたような機材を装着。餃子を包んだ作業台のふたを持ち上げると、具材が包まれた餃子が現れる。

最後は大きな黒いヘラの上に、二個の餃子が載せられて、タッパーに格納されていく。2台のロボットはここでも呼吸を合わせるようにしながら動作し、餃子を落とすことなくしっかりと黒いヘラに載せていた。

なお、このロボットはデンソーウェーブの「COBOTTA」という名前の人協働ロボットで、餃子のためだけに作られたわけではない。4kgと軽量なので、どこにでも持ち運ぶことが可能で、専門的な知識がなくてもアーム部分を直接動かしながら動作を記憶させることができる「ダイレクトティーチング機能」を備えているので、ロボットの知識がない人でもすぐに使えるという優れモノだ。

工場での部品の仕分けや医薬品の研究現場における繰り返し作業など、単純作業を人間に代わってこなしてくれる。人手不足の解消に向けて、ロボットの進化は今後もとどまることはないだろう。(BCN・細田 立圭志)