3月になり、アップルのスマートフォン「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」が発売してから半年が経過した。「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を最も売ったキャリアはどこだろうか。家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で発売日の2014年9月19日から2015年3月16日まで、約6か月間の累計販売台数シェアをチェックした。

約半年間の累計販売台数シェアはソフトバンクが43.5%と半分近いシェアを獲得。次いでau(KDDI)が35.2%、NTTドコモが21.3%だった。発売以降、さまざまなキャンペーンを打ち出してきたソフトバンクに軍配が上がったようだ。

それではいまから買うユーザー向けに、この春のキャンペーンを各社比較した。この春、ドコモとソフトバンクはスマートフォンと固定回線をセットで契約するとスマートフォンの料金を割引く、いわゆる「光回線セット割」をスタートした。auは2012年から実施しており、これで主要3キャリアが出揃ったことになる。3キャリアの「光回線セット割」を比較した。

●一人の場合はauとソフトバンクがオトク

いずれの割引きも内容を理解するのに少し骨が折れるが、順序立てて比較していこう。まずは適用条件だ。ドコモの「ドコモ光パック」はスマートフォン、タブレット端末の「カケホーダイ&カケホーダイ&パケあえる」と、固定回線の「ドコモ光」の両方を契約するユーザーが対象になる。なお、すでに新規受付が終了している旧料金プランの「タイプXi にねん」などの契約ユーザーは、2015年8月31日までの期間限定で最大1年間月500円の割引きを受けることができる。

auの「auスマートバリュー」は、スマートフォン/携帯電話の新定額プラン「カケホとデジラ」、スマートフォン/携帯電話/タブレット端末の旧定額プラン「LTEフラット」が対象だ。これに加え、J:COMなどのCATVの光回線サービスと電話サービスの三つの加入が条件となる。スマートフォンと光回線だけでは「auスマートバリュー」の対象とならないので注意が必要だ。

ソフトバンクの「スマート値引き」は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末と、「SoftBank 光」「SoftBank Air」「Yahoo! BB ADSL」「Yahoo! BBバリュープラン」などの光回線と電話サービス「ホワイト光電話/光電話(n)」または「+bbフォン/bbフォン」をセットで契約したユーザーが対象になる。

次に割引き額を見ていこう。割引き額は一律ではなく、3キャリアとも大容量プランを契約するほど割引き額が大きくなる。以下、記事内の金額は全て税別で統一した。

auは月3GB以下の「データ定額2/3」は月934円、「データ定額5/8」と、月7GBまで使える旧プラン「LTEフラット」は月1410円、大容量プランの「データ定額10/13」は月2000円の割引きを最大2年間受けることができる。3年目以降は一律934円の割引きになる。

ソフトバンクは、容量によって細かく分かれており、2GBの「小容量パック」は月463円、5GBの「標準パック」は月1410円、10/15/20/30GBの「大容量パック」は月1852円を最大2年間割引く。3年目以降は小容量パックは月463円と変わらないが、標準・大容量パックは月1000円になる。

一番ややこしいのがドコモで、データ容量だけではなく光回線の契約を結ぶ住宅が戸建てかマンションかでも割引き額が変わる。単身の場合、戸建て、集合住宅とも割引き額は同じで、2GBの「光データSパック」は月500円、5GBの「光データMパック」は月800円、8GBの「光データLパック」は月1000円をずっと割引く。

家族でパケットを分け合うシェアパックでは、10GBの「光シェアパック10」は1200円、15GBの「光シェアパック15」は1800円と戸建て、集合住宅で変わらないが、20GBの「光シェアパック20」は戸建てが2500円、マンションが2400円、30GBの「光シェアパック30」は戸建てが3200円、マンションが3000円の割引きとなる。

●単身の場合でシミュレーション、auとソフトバンクが安い

それでは月額料金、割引き額を3キャリアで比較してみよう。マンションに一人暮らしをしているユーザーがスマートフォンの5GBのプランと光回線を契約した場合で算出した。

まず、光回線の月額料金だ。auとソフトバンクはインターネット料金に加え、「光回線セット割」を利用するには電話サービスの契約も必要だ。すると、ドコモは月4000円、auは月4300円、ソフトバンクもauと同じ4300円となる。この時点ではauとソフトバンクが同額、ドコモが2社に比べ300円安いことになる。

スマートフォンは、3社とも基本料金が月2700円、インターネット接続サービス料が月300円。5GBのデータ定額料は3社とも月5000円なので、合計8000円となる。

差が出てくるのが、次の割引き額だ。ドコモの「光データMパック(5GB)」の「セット割」の割引き額は月800円、auの「データ定額5」の割引き額は月1410円、ソフトバンクの「データ定額パック・標準」の割引き額は1410円だ。つまり、auとソフトバンクの割引き額が高く、オトク、ということだ。

それでは家族の場合はどうだろう。2人家族で一人5GBの定額プランを組んだ場合でシミュレーションした。なお、ドコモは家族でパケットをシェアするシェアパックなので、二人まとめて10GBになるプランに設定した。

ドコモは、月10GBのパケットをシェアする「シェアパック10」の月額料が9500円になる。割引き額は1200円になるが、割引対象は代表回線のみに適用される。家族で複数のスマートフォン、タブレット端末を契約しても2台目以降の端末は割引き対象外となるので注意しよう。

対してau、ソフトバンクは、端末毎にセット割りを受けることができる。月5GBのプランの場合割引き額は1410円なので、家族で2台契約していれば合計の割引き額は2810円となり、ドコモに比べて倍以上の割引きを受けることができる。

結果として、ドコモの月の割引き額は1200円で、二人家族の月の料金は1万8800円になる。auとソフトバンクは同額で、割引き額が2810円、料金は1万7480円となる。

このほか、乗り換える際、注意が必要なのが、固定通信が変わることで電話番号が変わり、さらに工事が発生することだ。NTT東西が「フレッツ光」回線をドコモとソフトバンクに卸売りしているので、すでに「フレッツ光」を利用しているユーザーが「ドコモ光」「SoftBank 光」に乗り換えた場合、「フレッツ光」の光ケーブルをそのまま利用できるので工事が発生しないが、auの「auひかり」は提携しているCATV事業者の光ケーブルに変更する必要があるので工事が必要になり、初期費用として3万7500円かかる。現在、初期費用を相殺する割引きを実施してはいるが、工事が完了するまでインターネットを利用できないという不便さがある。

つまり、auとソフトバンクは同額の割引き、料金プランとなるが、auは固定電話の番号が変わったり、工事が発生したりするというデメリットがある、というわけだ。

今回は一番シンプルなプランで算出したが、大容量プランを契約する場合、タブレット端末を一緒に契約する場合などで割引き額が変わってくる。しっかり比較してオトクなプランを選ぼう。

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