コレステロールを減らした結果、増えてしまった深刻な問題

1900年頃、アメリカの都市に住む人々は、肉や卵、バター、穀物、季節の野菜やフルーツを食べ、1日平均で2900kcalも摂取していた。それでも太り過ぎる人は少なく、3大死因は肺炎、結核、下痢・腸炎だったという。

やがて人々は、バターの代わりに植物油やマーガリン(トランス脂肪)を使うようになった。20世紀の中頃になると、心筋梗塞や狭心症で死亡する人が増えてくる。そして1956年、米国心臓協会は“賢明な食事”として「バター、ラード、卵、ビーフ」を「マーガリン、コーン油、チキン、冷たいシリアル」に置き換えるよう推奨を始め、1970年代までに、「コレステロールは体に悪い」というイメージが人々の意識に定着した。

1980年代、アメリカ大豆協会やマスコミにより「植物油は健康によい。肉やバター、ココナッツオイルなどの飽和脂肪は悪い」とアピールされた。そこでファストフードをはじめ、冷凍食品や加工食品に、オメガ6の多い「植物油(トランス脂肪)」が使われるようになった。さらには「脂質を降下させる薬」が大々的に売り出された。

そして1994年、アメリカ糖尿病学会は国民に「カロリーの60~70%を炭水化物から摂取すべき」との勧告を出し、低脂肪の食事を勧めた。

その結果は?
アメリカにおける糖尿病患者数の推移」を示した、興味深いデータがある。


小学生はこのグラフを見て、こう質問するだろう。
「先生! 1995年頃から糖尿病の人の数がどんどん増えています。なぜですか?」
 

信じるべきものは、「医者」ではない

「これを学会で彼(デイビッド・パールマター)に見せてもらったとき、衝撃を受けました。1994年を境に、Ⅱ型糖尿病患者が3倍に増えています(※2012年には2910万人)。
これが、学会がアメリカ人に『この栄養を取りなさい』と勧告を出した結果ですよ? 60~70%の割合で炭水化物を摂り、コレステロールを悪者にして、とにかく油を減らせと。
WHOも日本の糖尿病学会も、これを推奨しているんです。病院に入院すると、この割合で食事が出るんです。3人に2人は学会が生み出した患者である、といってもおかしくはないでしょう?

もし、あなたが、コレステロールを下げる『スタチン』という薬を処方されていたら、飲むのをやめることをお勧めします。スタチンを売っている会社が学会に膨大な研究費を出して、学会のガイドラインを作った。薬が売れるように、病気の診断基準を作っているんです。

まず、医者が言っていることが間違ってる。そもそも医者が使っている教科書が間違っていて、学会が間違っているんです。すべての医者があなたの健康を守ってくれるとは限りません。医者よりも賢くなって、自分自身を守らなければいけない、ということです」

2012年2月、米国FDA(食品医薬品局)は、スタチン系薬剤が「糖尿病」のリスクを高め、「記憶の喪失や錯乱を招く」おそれがあることを示唆した。糖尿病になると、認知症になるリスクが高まる。「脳」にとってはあまり喜ばしくない話だ。