おもてなしロボット「コンシェルジュ」

芝浦工業大学機械機能工学科の松日楽信人教授は、プラットフォームロボットとして開発した“おもてなし”ロボット「コンシェルジュ」を使ったデモンストレーションを東京都立産業技術研究センター、首都大学東京、産業技術大学院大学と連携して実施した。

「コンシェルジュ」は、ロボット開発用に公開されている基本OS「RTミドルウェア」と、通信規格「RSNP」を用いて作ったロボット。これらの標準化されたロボットシステムをベースに、移動・追尾、音声認識、顔認識、写真撮影などの機能を搭載し、道案内や受付・写真撮影サービスなどのおもてなしができるプラットフォームとして完成させた。

今回のデモンストレーションは、東京都江東区の産業技術研究センター内で、5台のロボットを設置して実施。ロボットによるビッグデータ収集・活用のための基礎として、ロボットの顔のタッチパネルを使ってアンケートを行い、その結果をサーバーに送信して即座に集計データを表示するという模様をデモンストレーションした。サーバーとロボットが通信して遠隔操作が可能で、これを応用すればさまざまな用途に適用できる。

たとえば、街中でロボットが複数台回遊し、連携し合いながら道案内や受付・店舗案内・写真撮影サービスなどで来街者の“おもてなし”をするほか、今回実施したようなアンケート以外にも、イベント会場などを監視し、エリア別の混雑度合いや人の流れなどをリアルタイムに把握し集中管理できるなど、ビッグデータを収集・分析・活用しながら地域に貢献するためのロボットとしての活躍も期待できる。

今後は、2020年に国内外から多くの観光客を見込む東京ベイエリア地区の街中での実証を目指すとともに、地域に根付くロボットサービスを提供するためのアプリケーション開発などの改良を重ねていく。