東京セブンズ2014を制したフィジー ©JRFU, 2015

桜の開花とともにセブンズ(7人制ラグビー)の季節がやって来た。セブンズと聞いても、イメージがわかない人が多いかもしれないが、「2016年リオデジャネイロオリンピック」、「2020年東京オリンピック」では、男女ともにセブンズが正式競技に採用される。今や日本でも他競技のアスリートがオリンピック出場を目指して続々と転向する注目のスポーツなのである。
 

スピードとアクロバティックなプレーが魅力

4月4日(土)・5日(日)に開催される「東京セブンズ2015」は、F1のサーキットのように世界各地を転戦する「セブンズワールドシリーズ」9大会のひとつだ。「男子セブンズ」は世界最高峰のメジャー大会で、そのスピーディーでアクロバティックなプレーは世界中のラグビーファンを魅了している。

ラグビーと言うと、静かに観戦するイメージがあるかもしれないが、セブンズは違う。スタジアムには大音量の音楽が流れ、ビールを飲み、歌い、踊り、大いに楽しむのが観戦スタイル。ラグビー初観戦の入り口としても最適なのである。

歴史をひもとけば、セブンズ発祥は100年以上前のスコットランドである。あるクラブが財政難に陥り、起死回生を狙って企画したのがセブンズラグビー大会だった。短時間でたくさんのチームやプレースタイルを楽しみ、観客を動員しようと考えたわけだ。

15人制と同じ広さのグラウンドで7人同士が戦うため、時間は前後半7分ずつ(決勝戦のみ10分ハーフ)。1チームが一日に3試合することが可能だ。スペースが広いので、15人制特有の観客には見えづらい密集戦もなく、常にクリアにボールが動く。ダンスを踏むようなステップワークで相手をかわしたかと思えば、100m10秒台のスピードランナーがあっという間に駆け抜ける胸のすくトライも多い。

思い思いのコスプレでピッチに声援を送る観客たち ©JRFU, 2015

セブンズと言えば、コスプレ

お祭り的な発想で考えられたスポーツである上、スーパープレーが続出するため観客のボルテージは高くなる。観客席には難しい顔をしてうん蓄を傾ける人も少なく、フィールドの真剣勝負と観客席の笑顔や歓声が絶妙にブレンドされるのが、セブンズ特有の雰囲気だ。

試合を終えた選手たちも、グラウンドの脇で子ども達にサインをしたり、一緒に写真に収まったり、15人制であれば、「真面目に試合を見なさい」と叱られそうなことが、セブンズ大会では普通なのである。

「東京セブンズ」でも、さまざまなイベントが用意されているが、セブンズと言えば「コスプレ」。直近の「香港セブンズ」でも、ドラゴンボール、シンプソンズのアニメキャラクター、上半身裸の水球チーム軍団、相撲の着ぐるみペアなど、ありとあらゆるキャラクターがスタジアムに彩りを加えていた。東京セブンズでも「コスチュームコンテスト」が開催される。バックスタンドに陣取ってアピールしていれば、大型スクリーンに映し出され、プレゼントがもらえるかもしれない。