「私、今から仕事を辞めて家庭と子育てに専念するわ。食事もこれまでは忙しくて外食や買ってきたものが多かったけど、すべて手作りにする。むしろ、野菜などは自分で育てて安全なものが食べたいわ。ねぇ、引っ越しも考えない? あなたが通える範囲の郊外なら畑が持てるのよ。そこで育てたものでジャムやピクルスの缶詰を作って、ネットで販売しようかと思うの」

こちらはある夫婦の会話。今まで、バリバリと仕事をしてきた奥さんが、旦那さんに対して「専業主婦」を宣言しているところです。実はこういった光景は、今後めずらしいことではなくなるのかもしれません。

いま、アメリカで話題となっているのが「ハウスワイフ2.0」。

こちら、簡単に説明すると、20~30代女性の「家庭回帰現象」と言えるもの。冒頭のような会話がされるかどうかはわかりませんが、家庭に入ろうと考える女性が増えつつあるのです。

専業主婦のリアルにせまった書籍『専業主婦になりたい女たち』(白河桃子著)では、このアメリカの傾向を詳しく紹介しています。

「大学を出て知的な職業につき、男と同等に嫁いできた女性たちが、子育てを機に専業主婦になりたがる。それもただの専業主婦ではなく、キーワードは『おばあちゃんの家事』『エコ』『手作り』『自給自足』そしてブログとネットショップ。強いられた専業主婦ではなく、会社から『選択的離脱』」と同書では説明。

バリバリと稼いでいた女性が、出産を機会に家庭へ。しかし、そこでただ育児だけをするのではなく、自分なりに生活に楽しみを見つけ、積極的な暮らしを送ることに注力するのです。