5 勝どき橋

さて、築地まで足を伸ばして、夕暮れ時になったら、是非見ておきたいものがあります。

勝どき橋です。車や人がひっきりなしに通る橋ですが、建設は意外に古く、1940年(昭和15年)の完成です。1940年に、月島で予定されていた万国博覧会のために、日本の技術力を海外に誇示するために、国の威信をかけて建設したという説があります。

1940年というと、日中戦争が激化したために、予定されていた東京オリンピックを中止した年でもあります。(もともと、勝どき橋をかけるためにきっかけになった月島での万国博覧会も中止)そんな時代にこれだけ堅牢な建造物をよく作ったものだと思いますが、いまだに多くの方の生活に欠かせない存在となっています。

 

勝どき橋は、車専用ではなく、人が歩けるレーンがあります。

レーンを歩いていくと、信号機を発見。現在は使われていません。なんのためにあるかというと、昔、川を大型船が往来していたので、その時は、勝どき橋の真ん中が開いて船を通していたんですね。車や人は、船が通過する際に、しばらく待たなければなりませんでした。そのために信号機がついているわけですね。

勝どき橋ですが、大型船が往来しなくなったこともあって、橋の中央のゲートは、1970年を最後に、開くことがなくなりました。

 

これから秋までは、川べりから夜の勝どき橋を眺めるのもいいですね。デートの時の散策にも、悪くないコースだと思いますよ。

東京の歴史を感じながら、心に映る風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。

福岡県北九州市生まれ 93年から週刊誌・書籍のライターとして活動。救急医療の現場取材・社会保障問題といった社会派な記事から料理、食べ歩き、映画論評まで執筆ジャンルは様々。児童文学作品を上梓する傍ら、フードコーディネーターとしてメニュー開発なども行う。近著に「さぼちゃんのおぼうし」「うちの職場は隠れブラックかも」。ブログhttp://nomichan2001.cocolog-nifty.com/epsiloncafe/