福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ) (c)スエイシナオヨシ 福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ) (c)スエイシナオヨシ

ラグビー日本代表が完敗の中に確かな光明を見出した。11月3日、ニュージーランド代表に挑んだ日本は、31-69の大敗を喫した。だが、しかし、過去5試合で合計4トライしか奪えていないオールブラックス相手に、5トライを強奪したのだ。

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前半4分LOアニセ サムエラが猛烈なキックチャージからトライを奪うと、33分にNO.8ツイ ヘンドリックがディフェンスのギャップを突き強引に突破、41分にはCTBラファエレ ティモシーがタックラーふたりを引きずりながらトライを奪った。

後半に入ると12分にSO田村優のキックパスを右タッチライン際で受けたWTBヘンリー・ジェイミーがインゴールに飛び込み、30分には左タッチライン際でボールを受けたWTB福岡堅樹がハンドオフで3人をかわしながら、代わって入ったFB松田力也へパス、最後はラファエレにつなぎトライとなったのだ。

正スコッドを狙う若いメンバーのオールブラックスに10ものトライを奪われたのは、もちろん反省点である。ひとつのミスや1本のキックからトライを許しているようでは心もとない。だが、日本代表の5つのトライは確固たる自信となった。

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは試合後、「今回の結果は残念に思うが、オールブラックスから5トライを取れたことはいい兆し。成長の証です」と称えた。また、「(HO堀江翔太やNO.8アマナキ・レレイ・マフィ、FB松島幸太朗ら)キープレイヤー6人を欠いた中で誰が出ても、オールブラックス相手にマインドセットがきちんとできているのはよかった」と振り返った。リーチ マイケル主将も「世界一のチームの厳しさがよくわかった。反省点も修正点もたくさん出た。これからの準備がよりよくなる」と前を向いた。

対峙したルーク・ホワイトロック主将の「日本はどの選手もよかった。ラックでのスピードが速かったし、WTBのスピードは非常に速かった」との言葉も決して外交辞令だけではないだろう。

試合前日に「ふだんはトライと言うより、チームが勝てばいいと思っていたが、明日は成長を見せるためにも必ずトライを決めたい」と珍しくトライ獲得宣言をしていた福岡はトライこそなかったが、「自分自身のフィジカルは前回より通用した。チームとしても、ボールを継続できればトライが取れると実感できた」と手応えを口にした。さらに日本が誇るスピードスターは「この点差を1年間で埋めていきたい」と誓った。

日本代表は11月7日(水)にイングランド遠征に出発。17日(土)にエディ・ジョーンズHC率いるイングランド代表、24日(土)に『W杯 2019』開幕戦の相手・ロシア代表と対戦する。