特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅 」会見より (C)KAIYODO 特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅 」会見より (C)KAIYODO

来年3月から上野・東京国立博物館で開催される特別展『国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅』の報道発表会が10月17日に開かれた。博物館や真言宗総本山 東寺の執事長ら主催者が揃い、展覧会の見どころや東寺の文化修理事業、立体曼荼羅のVR化について発表。史上最大規模で展示される東寺の名宝たちに期待が高まる。開催は2019年3月26日(火)から6月2日(日)まで。会期中、一部展示替えがある。

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東寺は、平安京遷都に伴って西寺と共に建立され、弘法大師空海が823年に嵯峨天皇より賜り、真言密教の根本道場となった。1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録され、京都の名所となっている。

本展は4章の構成からなり、空海にまつわる数々の名宝をはじめ、東寺に伝わる文化財の全貌を紹介する。

各章については、第1章「空海と後七日御修法」では、後七日御修法(真言宗で最も重要な法会)の堂内を再現し、御修法に関連する絵画や仏具などを展示。また最澄に宛てた空海円熟の書、国宝『風信帖』なども展示する(5月19日(日)まで)。第2章「密教美術の至宝」では数々の大曼荼羅、仏画、書跡など密教美術を展示。第3章「東寺の信仰と歴史」では東寺創建時の遺品や古文書などによって東寺に寄せられた信仰とその歴史を知ることができる。最後の第4章「曼荼羅の世界」では、空海が言葉で伝えにくい真言密教の教えを可視化するために構想、立体表現した圧巻の立体曼荼羅の世界を体感することができる。立体曼荼羅は東寺講堂に安置されており、平安時代前期の密教彫刻の最高傑作とされている。なお、本展では21体のうち史上最多となる15体(うち国宝11体)が出品される。

また、本展の連動企画として、3月27日(水)からVR作品『空海 祈りの形(仮)』が同館東洋館内「TNM&TOPPANミュージアムシアター」で上映される(鑑賞料金:高校生以上500円 ※大学生以上は博物館への入館チケットが別途必要)。21体の仏像全てを詳細に再現することで、現地では見ることが困難な角度や位置から拡大するなど、VRならではの視点で鑑賞できる。

そのほか“仏像界一イケメン”と称される「帝釈天騎象像」が全高130mmのフィギュアとして、海洋堂により忠実に再現された。報道発表会場でも展示され、一般には展示会場で限定1万個先行販売、フィギュアセット前売り券は限定1,000枚で12月1日(土)より販売。税込7,500円。

取材・文・撮影:河野桃子