給料アップ=買い物増ではしょうがない

今回の給与アップはかなりの割合になるようで、「連合」という労働組合の団体の調査によれば+2.36%にもなるそうです。昨年は「給料が上がったけれど消費税も上がったし」ということが多かったのですが、今年は消費税もアップしませんから、これは文字通り手取り金額のアップです。

仮に20万円の手取りだった人が2%アップすれば月4000円増えるわけですから、「何かひとつ」ゼイタクができるようなイメージです。美味しいご飯を食べたり飲み会に行くことができますし、ゲームを一本買うこともできます。数カ月分をまとめれば、服やアクセサリーを買うこともできるでしょう。

しかし、上がった給料をすべて買い物に回してはいけません。むしろ「給料アップしたときは、気を引き締める」くらいのほうがいいのです。

 

給料が上がった分は「貯める」習慣に変えたい

今まで貯金できていなかった、という人は多いと思います。給料は上がらなくてもいろいろ生活にはお金がかかりますし、仕方のないところがあったかもしれません。

しかし、若いうちに「貯める」習慣をつけておくことはとても大切です。貯める習慣があるということは、実際の収入よりもコンパクトに生活ができているということですが、これは社会人の家計の大前提です。

収入より出費が多いのは論外ですし(借金がどんどん増えていつかは自己破産に追い込まれる)、収入のすべてを使ってしまう生活では、人生のお金の余裕は一生生まれてきません。

少しのお金も、生活のリスクに対応する力になります。冷蔵庫が壊れたとき、「もしものときの数万円」がなければローンにすることになり割高の買い物と後日の返済に苦労します。隣人トラブルが起きていきなり引っ越しするときにも、お金のやりくりに苦労します。

まとまったお金を作れるようになると、人生はさらに余裕が出てきます。50万円くらいお金があれば、ブラック企業にガマンすることなく、辞めて次の会社探しができます(3カ月分くらいの生活費があればいわゆる失業給付がもらえる)。

もっと先のことを考えれば、家を買ったり、子どもの進学費用を準備したり、自分の老後に備えるために、500~1000万円くらいのお金を貯めていく感覚が必要です。これもお金を貯めておく人ほどその後の人生が楽になります。

もしかすると、今年は「貯める人」に変わる絶好のチャンスかもしれません。