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今年は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」「ターミネーター:新起動/ジェニシス」とヒットシリーズの新作が次々公開される大作当たり年。

映画というのは文化や風習の違いを超え世界中の人たちに訴えかけるものですが、それゆえある種のパターンというか“あるある”が存在しており、ファンを魅了している。

今回はそんな”あるある”、とりわけアクション映画にありがちな例を偏りつつ見て行きましょう。
 

1.必ず、仲間が事件に巻き込まれる
 

マッドマックス 怒りのデス・ロード」6月20日公開 ©2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
ひと口にアクション映画と言ってもその類型は様々ですが、まず言いたいのは主人公の「周りの人が巻き込まれがち」であることです。冒頭でタイトルの挙がった「マッドマックス」「ターミネーター」の第1作でも周囲の人たちが焼き殺されたり殺害されたりと、それはもう散々な目に遭ってます。巻き込まれる仲間とは裏腹に、主人公は、自ら災いに足をツッコんでるいるのに何故か無事・・・ある意味不死身だったりします。

 

ターミネーター:新起動/ジェニシス」7月11日公開 ©Paramount Pictures 2014. All Rights Reserved

2.主人公の”家族”が殺されがち

さらにこの“あるある”には発展形として「家族殺されがち」というものあるある。そんな逆境から、主人公の能力が覚醒するのもさらにあるある。2作とも見事にこの2点を踏襲しアクション映画として王道を行っています。夏公開の新作はまだ観られていませんが、この辺りの匂いがプンプンします。
 

3.原題は、大胆な日本語タイトルに変えられる

さて、作品タイトルというのはその映画の内容を簡潔に伝えたり、想像力を喚起してワクワクさせる重要なものですが、このタイトルにもよく見られる“あるある”が存在します。原題がいま一つ気分が出ない、日本語にすると意味が分かりにくい、そういった場合に「タイトル変えられがち」で、大胆な改題がなされるのです。

あの筋肉番長スタローンの代表作である「First Blood」が日本では「ランボー」として公開され、第2作以降は原題にも「Rambo」が付けられるようになったのは、邦題が生んだ代表的成功例と言えるでしょう。

しかし、よい例ばかりとは限らないのが世の常で、ツッコミどころ満載となっているのが「沈黙の戦艦」に始まる「沈黙シリーズ」。スティーブン・セガール主演作にはこの「沈黙の~」が冠されることが多いですが、そもそも原題には「沈黙の~」なんて一言も入ってませんし、作品同士の関連もありません。

 

共通点としては、ただセガールが主演しているというだけです。他には3部作で完結しているのに、違う作品に無理やりタイトルを後付けして5部作みたいにしてしまったチャック・ノリス主演「地獄のヒーロー」シリーズもあります。まだ若い時分にこれらの事象と遭遇した私は、“大人の事情”と言われることの意味を何となく理解しました。