首相官邸のページによると、年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるもので、うち約7割は11月~2月に発生しており、この時期の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウイルスによるものと考えられるといいます。

今はまさに注意が必要な時期! そこで11月8日にダスキンが「ノロウイルス対策セミナー」を江戸川区の輝きベビー保育園 篠崎で、保育士さん10名に対して実施しました。

今回は、そのセミナーの中から、家庭でママと子どもが実践できるノロウイルス予防・対処法をご紹介します。

医師が解説!ノロウイルス食中毒の基本を知ろう

まずは、ノロウイルス食中毒について少しだけお勉強を。済生会 横浜市東部病院 小児肝臓消化器科 副部長 医学博士である十河剛先生は、次の内容をお話ししていました。

十河剛先生(以下、十河)「ノロウイルスのピークは一般的に10月~1月頃です。

感染性胃腸炎の原因である病原体は、他にもロタウイルス、サポウイルスなどさまざまなウイルスがあります。ノロウイルスの感染経路は『人から人』がほとんどです。またノロウイルスの感染場所は、『人から人伝播の疑い』のケースでは、保育施設での感染が最も多いです。

ノロウイルスのウイルスは非常に小さく、乾燥に強いという特性を持ちます。10~100個ウイルスで感染・発症し、発症率は45%と高いのも特徴。潜伏期間は24時間~48時間です。症状がなくなっても1週間~1か月程度糞便中に排出され、場合によってはもっと長引くこともあります」

保育施設での感染が多いと聞くと、不安になります。

十河先生によると、ノロウイルスはアルコール除菌だけではあまり殺菌効果がないのだそう!

十河「アルコールや石けんでは、ノロウイルスの殺菌についてはあまり効果がありません。加熱殺菌消毒が有効とされています」

ノロウイルス食中毒の予防ポイント!

続いて、株式会社ダスキン ハイジーン・拠点推進室の小林英明さんの講演から、自宅でママができるノロウイルス予防のポイントをご紹介します。

ノロウイルスの予防のポイント4つ!

  • 持ち込まない
  • つけない
  • 拡げない
  • やっつける

ノロウイルスの予防のポイントは上の4つ。家庭に持ち込まないこと、他の箇所につけないこと、持ち込んでしまったらそれ以上、拡げないこと、そしてノロウイルスをやっつけることが重要だそうです。

また、次のことも押さえておきましょう!

  • 手洗いは有効だが、爪や親指の周りの洗い残しに注意する。
    首相官邸のページでも、食事前、トイレの後、調理の前後はしっかりと石けんで洗い、流水で流すと書かれています。
  • ウイルスが付着しやすい場所は、テーブル、手すり、トイレ、ガラス、ドアノブなど手が触れる場所。
  • ノロウイルスの殺菌には『次亜塩素酸ナトリウム』を用いる。

また、首相官邸のページでは、食品からの感染を防ぐことも重要だとされています。

  • 特に加熱して食べる食材は中心部までしっかりと火を通す。
  • 調理器具や調理台は「消毒」して、いつも清潔に。消毒は、熱湯(85度以上)で1分以上の加熱消毒。