1. 「くるみ割り人形」の知識、必要一切無し
まず、原作「くるみ割り人形とねずみの王様」や、バレエ「くるみ割り人形」を知っている必要が一切なく、誰でも気軽に楽しめるのは、とても評価できるポイントです。
また例に出して恐縮ですが、直後に公開される『シュガーラッシュ:オンライン』が、前作を観ていないと楽しさ半減なのとは、完全に対照的です。
続編映画は見せたい対象が違うのだ、と言われれば、そのとおりですが、それにしてもあれはちょっと、うまいやり方には私は思えません。
『くるみ割り人形と秘密の王国』は、シンプルにエンターテイメントとして優れた出来。
ディズニーが創り出す、まだ見ぬ世界の冒険を、何の心配もなく楽しみに行ってください。
2. 誰もが絶対に知っているチャイコフスキーの名曲が盛り上げるクリスマス気分
なおかつ、誰もが絶対に知っているチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の名曲が、随所に流れます。
「行進曲」「金平糖の精の踊り」「花のワルツ」などなど、曲名を知らなくとも、まず間違いなく耳にした経験がある楽曲たちです。
『くるみ割り人形と秘密の王国』はクリスマス・イヴの話なのですが、ディズニーならではの映像美との相乗効果で、きっとクリスマス気分を盛り上げてくれるはず。
特にクリスマスの雰囲気が好きな人にとっては、最高の体験になるでしょう。
3. 身体表現の極地!! バレエに感動
物語中、そしてエンディングにて、ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニンという、今もっとも話題のバレエダンサーによるバレエが見られます。
特に、ミスティ・コープランドは、黒人ながら、最高峰のバレエ団で史上初めてプリンシパル・ダンサーになるなど、まさに「人間が生み出す身体表現の極地」とでも言えるような、圧巻の踊りを見せてくれます。
ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニンの名前を知らない人も、バレエなんて興味ないよという人も、必ず “これはすごい……” と心動かされるでしょう。