ハイアール・ヨーロッパのYannic Fierling CEO

【マルタ発】IFA Global Press Conference(GPC)2015の2日目、現地時間4月24日、IFAの主要出展企業が行うパワーブリーフィングにハイアール・ヨーロッパのYannic Fierling CEOが登壇し、選択時間の所要時間が半分になる「画期的」な洗濯機を発表した。

Fierling CEOは「家庭では年間220回も洗濯機が回されており、その時間を合計すると1年のうちおよそ1か月間が洗濯に費やされ、その間待っていることになる」と語り、洗濯機の時短の重要性を説く。そこで「INNOVATION 2015」の一つとしてハイアールが出したのが「洗濯ドラムをもう一つ増やす」という答えだった。それが今回発表した洗濯機の新製品「DUAL DRUM」だ。

洗濯乾燥機ドラムを2個備え、洗濯機を2度回すところを1回で済ませようとする、コロンブスの卵的な製品。大量の洗濯物がある場合は、2つのドラムをフル回転させれば、それだけ洗濯にかかる時間が短くなる。また、ウールとコットンのように素材が違う服を同時に、あるいは色落ちしやすい服と白いシャツを同時に洗うことができ複数回洗濯機を回さなくて済む、というわけだ。さらに、スマートフォンに接続でき、多くの洗濯プログラムを駆使しながら簡単に操作できるのも特徴だ。

そのほか、冷蔵庫にも「画期的」製品を投入する。「T-DOOR」シリーズだ。Fierling CEOが「世界初」と胸を張る、冷蔵エリア、冷凍エリアに加え、マイナス20℃からプラス5℃の間で自由に温度設定ができる「設定温度可変エリア」を備えるのが特徴。必要に応じて冷凍エリア・冷蔵エリアを切り替えることで、食料の収納効率が上がるほか、におい移りが気になる食品を分けて入れることもできるメリットがある。

一方、冷媒を循環させるコンプレッサを排し、クレジットカードサイズの素子に置き換えて温度をコントロールする「ソリッド・ステート・ワインセラー」も発表した。詳細な原理は明らかにされなかったが、小型の素子で直接温度をコントロールするため、省スペースで振動も発生せず、正確な温度管理も可能だ。Fierling CEOは「将来的にはこの技術を大型の冷蔵庫にも採用していく」方針だと語った。(道越一郎)