グルンディッヒのMurat Sahin グルンディッヒ・マルチメディアB.V. CEO

【マルタ発】IFA Global Press Conference(GPC)2015の2日目、現地時間で4月24日にIFA出展企業が行うパワーブリーフィングにドイツの老舗家電メーカー、グルンディッヒのMurat Sahin グルンディッヒ・マルチメディアB.V. CEOが登壇、レンジ周りの革新的なインターフェイス「VUX(Virtual User eXperience)」を発表した。

Sahin CEOは、「PCの世界では当たり前だった、キーボードやマウスといったインターフェイスが、タブレットの登場で一変した。入出力が同じデバイスでできるため、とてもわかりやすい。しかし、キッチンのインターフェイスは何の変化もない」として「プロジェクターとセンサー、電磁調理器などを組み合わせ、これまでにないインターフェイス「VUX」を提供する」と語った。

レンジ台には、電磁調理パネルが一枚備え付けてあるだけで、操作用のつまみなどは一切ない。調理パネルに鍋などを置くと、頭上にあるカメラで認識し、置いた調理器具に合ったコントロールパネルが調理パネルの周囲に現れる。実際は頭上のプロジェクターからからつまみ類が投影されているわけだ。それを指でなぞり、火加減やライト、換気扇のON、OFFなどを操作する。また調理パネルには、正しい位置に鍋が置かれていない場合には警告が表示される。加熱後パネル自体が熱くなっている場合は、赤いエリアを投影し、使用者に注意を促す。

コントロールパネルは調理板の周囲に自由に配置できるうえ、物が置いてあって正常に表示されないような場合でも、自動的に物がない部分を探して自動的に投影する。レンジ周りを一つのディスプレイのように扱うことで、まるでタブレットのインターフェイスのような、自由な配置を可能にする。さらに、一般的な動画や静止画も調理板横に表示できるため、キッチン周りを情報表示エリアとしても活用できることになる。

GPC会場に持ち込まれたのは、一部しか動作しないコンセプトモデルだったが、9月に開催されるIFA 2015ではプロトタイプを展示する。2016年の第二四半期の発売を予定している。(道越一郎)