『GAMBA ガンバと仲間たち』 (C)SHIROGUMI INC, GAMBA

『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』で知られるクリエイター集団・白組が5月7日に、東京・渋谷区の同社で会見を行い、児童文学の名作『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』(斎藤惇夫著)を3DCGで長編アニメ化する『GAMBA ガンバと仲間たち』の製作を発表した。構想15年、製作に10年。総製作費は20億円を投じた大型企画で、10月10日(土)に2D/3D全国超拡大ロードショーされる。

『ガンバ』といえば、1975年に放送されたアニメシリーズが有名だが、本作ではキャラクターデザインを一新。企画が本格始動したのは、今から15年前の2000年だといい、原作者サイドから「3DCG映画に限定して」映画化の許諾を得た。会見に出席した島村達雄氏(株式会社白組代表取締役社長)は「当時から3DCG映画で、これ以上の遅れをとったら、アメリカの背中が見えなくなってしまうと感じていた」と本作の強い思いを語った。

2008年のリーマンショックを機に、製作委員会の組成が中断され、白組の単独事業として製作を続行。2013年末にハリウッドの敏腕プロデューサーで、マーベル・スタジオのCEOであるアヴィ・アラッドの目に留まり、海外配給を視野にした作品のブラッシュアップも行われたという。現在は、完成に向けた大詰めの作業が進められており、声優陣に関しては「キャスティングの真っ最中」(関係者談)だ。

企画立案者であり総監督の小川洋一氏(白組代表取締役副社長)をはじめ、白組の精鋭である河村友宏氏、小森啓裕氏の3人がメガホンをとった。ドラマ『リーガル・ハイ』、映画『探偵はBARにいる』『エイプリルフールズ』などで知られる人気脚本家の古沢良太氏が脚本を手がけ、アニメ作品に初挑戦。また、アカデミー賞作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』の追加楽曲を作曲したベンジャミン・ウォルフィッシュが、音楽を担当している。3DCGで生まれ変わったガンバたちの、新たなる冒険と躍動に期待したい。

なお『ガンバ』が映画化されるのは、1991年に公開された『ガンバとカワウソの冒険』(大賀俊二監督)以来24年ぶりとなる。

『GAMBA ガンバと仲間たち』
10月10日(土)から2D/3D全国超拡大ロードショー

取材・文:内田 涼