姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ) (C)F.SANO 姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ) (C)F.SANO

『ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019』4強が出揃った。3年連続6度目の優勝を狙うサントリーに初代王者・神戸製鋼、初優勝を目論むヤマハ発動機とトヨタ自動車だ。長年のラグビーファンにとっては違和感がある顔ぶれだろう。そう常連の名前がない。2007-2008シーズン以来、常にトップ4に入っていたパナソニックが『トップリーグ』順位決定戦1回戦でトヨタに敗れ、姿を消したのだ。これは事件である。

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パナソニックが初戦で敗退したのは衝撃的だったが、トヨタ自動車の勝利は決してフロックではない。12月2日、敵地・熊谷ラグビー場に乗り込んだトヨタが先手を打った。ペナルティを誘っては、CTBクリントン・スワートがPGから3点ずつ積み上げた。パナソニックのお株を奪う試合巧者ぶりを見せたのだった。パナソニックに2トライを奪われ、9-15と逆転されてハーフタイムを迎えるもトヨタは慌てず騒がず。持ち味であるフィジカリティを前面に出すラグビーを徹底することを確認した。

後半の入りで、自分たちのラグビーを取り戻したトヨタ自動車は2分、6分と立て続けにトライを奪い、21-15と逆転すると、そのままリードを守り、31-27で難敵を撃破したのだ。試合後、ジェイク・ホワイト監督が「強豪のパナソニックを相手にあれだけのプレーができたこと。そして試合に勝ったこと。さらにこのようにプレッシャーのかかる試合で5人のルーキーが堂々とプレーしたこと。この3点がうれしい」と喜べば、姫野和樹主将は「勝って反省できることをうれしく思う。まだまだミスがあり、修正しないといけないところがたくさんある」と勝って兜の緒を締めた。

次の相手は神戸製鋼である。6勝1分のレッドカンファレンス1位の神戸製鋼は、唯一無敗でリーグ戦を終えている。1回戦でもリコーを63-27と一蹴。元ニュージーランド代表司令塔のダン・カーターは9本中8本のキックを成功させ、2トライを奪うなど実力を発揮。第4節、26-26の引き分けに終わった決着をつける。

もうひとつの山ではホワイトカンファレンス1位のヤマハ発動機がNTTコミュニケーションズをスクラムで押し切り33-21と勝利した。サントリーは25-7と前半で勝負を決めたかと思われたが、後半はクボタの猛攻とレフリングの変化に手を焼き、28-26の薄氷を踏む勝利となった。スクラムでペナルティを連発したサントリーは、次戦への不安を覗かせた。

『第56回日本選手権』を兼ねる『トップリーグ』1~4位決定戦は、12月8日(土)にサントリー×ヤマハ発動機が秩父宮ラグビー場、神戸製鋼×トヨタ自動車が東大阪市花園ラグビー場にてキックオフ。決勝は12月15日(土)・秩父宮にて開催。チケット発売中。