キャラメルボックス、夏の切ない感動作を8年ぶりに上演

2015.5.8 17:25配信
左から、畑中智行、原田樹里、成井豊 左から、畑中智行、原田樹里、成井豊

今年、劇団結成30周年を迎えている演劇集団キャラメルボックスのアニバーサリー公演第2弾『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』がまもなく開幕する。4月末、この作品の稽古場を取材するとともに、作・演出の成井豊、メインキャストの原田樹里、畑中智行に話を聞いた。

キャラメルボックス『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』チケット情報

物語の主人公は、年に一度の家族旅行の道中で事故に遭い、自分以外の家族全員をなくしてしまった大学生・高梨ほしみ。病院に運ばれたほしみだったが、その目には亡くなったはずの家族が見えていた。彼らは幽霊になって家族旅行を続けていたのだ。さらに、ほしみの叔父・鉄平もまた、ほしみのいる病院へ逃げ込んでくる。彼は何故か刑事に追われているようで…。切なくも温かい家族の物語にスリリングな展開が交錯し、劇団を代表する名作との呼び声が高い。1992年の初演から数え、今回で4回目の上演だ。人気作ながら8年ぶりの上演となった理由を、成井は「劇団結成30年ですので、過去の代表作を再演をせねばと思ったらやっぱりこの作品しかない。さらに、今だったら過去3回と比較してもベストの『カレッジ~』を作れる役者が揃った。一番ベストのタイミングで、“満を持して”ですね」と力強く語る。

ヒロイン・ほしみを演じるのは入団7年目の原田。健康的で溌剌とした笑顔が魅力の女優だが、彼女については成井が「普段の原田がほしみにぴったり」、畑中が「ほしみは演じる人を選ぶ、本当に特殊な役。人間性が求められ、求心力のある人じゃないとできない。彼女は稽古中でもそういう“居方”をしてくれている」と、共に太鼓判を押す。その原田は「ほしみという役にすごく共感と憧れを抱き、いつかやりたいと思っていました。家族との関係性もすごく自分と似ているんです。我が家もほしみと同じく6人家族で、仲は良いけどうまくいかない部分もあり、でも年に一度必ずスキー旅行に行っているんです。その時はみんなすごく仲良いんですよ」と思い入れを語り、「本当にこれにすべてを賭ける、私の身体も心もほしみちゃんにあげる! というつもりでやっています」と意気込んだ。

ほしみと家族の物語の一方で、展開の読めないミステリアスなパートを担うのが鉄平を演じる畑中。この日の稽古場では飄々とした顔を見せたかと思えば、やるせない思いを迸らせ、男の切なさを全身で表現していた。「この台本は役者の手を加えやすい、自由度の高い本。逆に言えば、ただセリフをしゃべるだけでは成立しない。4度目の上演ですが、僕たちは一から改めて台本に向き合っています。自分たちも頑張りますので、絶対に楽しんでいただけると思います!」とアピール。成井も「テーマは“家族”。家族を愛しなさいとか偉そうなことを言うつもりはありませんが、例えばこのお芝居を観て、ケンカしていたお母さんに家に帰ったら謝ってみようかなとか、そんな風に思っていただければ」と話した。ベストかつ意気込み充分なキャストで名作がどう生まれ変わるのか期待したい。

公演は5月9日(土)から14日(木)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場、5月30日(土)から6月14日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて。チケットは発売中。

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