筧 利夫と真野恵里菜

1988年にスタートした人気アニメシリーズを世代交代したまったく新しいキャラクター&ストーリーで描く実写映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』が公開されている。そこで、全7章のシリーズと長編劇場版に出演した筧利夫と真野恵里菜がインタビューに応じた。

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本作の舞台は、20世紀末に登場した汎用人型作業機械“レイバー”が普及した世界。そこではレイバーに絡んだ犯罪が多発しているため、警視庁は特車二課“パトロールレイバー中隊=パトレイバー”を設立している。実写版の物語は21世紀に入った特車二課の“三代目”メンバー、泉野明(いずみのあきら)たちがレイバー犯罪に立ち向かう姿を描くもので、本作では首都圏1000万人が人質になる状況下で、テロ集団とパトロールレイバー中隊がぶつかり合う。

シリーズと本作は連続して撮影されたが、筧は「ロングスパンで撮影するのは非常にいいですね。せっついたスケジュールではなく、撮影が日常になるといいますか。今回はオファーが来た時点で、シリーズと長編劇場版の脚本がすべてありましたから、そういうことはすごくめずらしいよね」と振り返り、真野は「半年間ずっと皆さんと一緒にいたのは大きかったですね。ずっと明のままで劇場版の撮影ができたので、シリーズから長編劇場版までの明の成長が、パトレイバーの世界に出会った私、真野恵里菜の成長と重なったと思います」と語る。

さらに本作では全編が高精細な4Kで撮影が行われ、日本映画で初めて最新音響システムのドルビーアトモスが採用された。公開前にアトモスを体験したという筧は「あれで観るのと観ないのでは全然違うよね。一度体験してしまうと、これまでの5.1chでも音がガリガリ鳴ってるように感じる」という。「とにかく音質がクリアだし、効果音もだけど、セリフの音色がまったく違うんだよ。すごくなめらかに聞える。だから、観られるのであればアトモスで観ないとダメだよね。それから2Kと4Kもまったく違うから、できるならでっかいスクリーンで観てもらいたいよね」と力説する。

初代の二課の残した“遺産”と向き合いながら、未曾有のテロに立ち向かう隊長・後藤田、旧式のレイバーを武器に最新鋭のヘリと対峙する泉野。劇中にはこれまで上映されてきたシリーズだけでなく、過去に発表された『パトレイバー』の要素がギッシリとつめこまれている。真野は「今回の映画は1回観ただけでは、なかなか気づかない部分もたくさんあると思うので、一緒に観た人と上映後に話をしてもらいたいですね」と笑顔を見せる。

ついにシリーズは完結したが、筧は「やっとお客さんに観てもらえる時が来ましたし、海外の配給もふくめて“これから”が始まりですよ!」と宣言。本作が海外も含めどこまで広がっていくのか楽しみだ。

『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』
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