千円でべろべーろになれるせんべろ酒場。
本日は門前仲町にやってきた。
もんなかは、それぞれキャラクターの立った素晴らしい酒場がしのぎを削り合うハレの日の町である。
寺町であり歴史も深く、築地が近いことから魚がおいしい。
やんちゃな酒場を求めてさまよう土地ではない。

どうでもいいが去年いっぱいで十年以上所属していた会社を辞めた。
とってもステキな門出(アイドルグループでいう卒業)と思っているのだが、
とってもスリリングなのは先立つものである。
これまでお給料は現ダマ支給という、信じられない制度だったため、
封筒の上からしみわたるお金のありがたみをかみしめられていたのだが、
今や当たり前に銀行振込である。
忙しさにかまけて通帳記入を怠っていると、
知らないうちに入金されて知らないうちにカードの引き落としがあり、
はしご酒の途中で陽気に引き出したりしているもんだから(覚えてない)、
ふと気づけば、何事もなかったかのような静寂に包まれている残高。
まるで魔法? ワウ!
というわけで、せんべろ酒場探しにはますます力が入る私です。

そして今夜。
もんなかで目に飛び込んで来た新参者、立ち飲み「づめかん」。
おもむき深い縄のれんが並ぶなかで、店の入り口に貼られた屋号はまさかの手書きだった。
紙にマジックで「づめかん」。
しびれた。
店に入ると50人は余裕で入れそうな大バコ。
平日の夜はこれがぎゅうぎゅうになる。
テーブルの椀にお金を入れておくと、注文が届いたタイミングで清算するシステムだ。
満員のお客を回すのはホールに一人、厨房二人がスーパープレイを繰り広げる。
とんでもなく元気がいい。
どんなに混んでいても、扉が開くと「らっしゃいませ~」と声を張る。
そして注文を書かない。
言われたそばから厨房に叫び、開いた器を下げつつ出来た料理と酒を各卓に運ぶ。
それでいて絶対に間違えない。
まるで部活。
県大会に出ればベスト8入り確実のナイスプレイである。
焼きたてで出てくる串はほぼ一本100円。
お店のがんばり度はレバーとタンを食べればわかる、というのが持論だ。
レバーもタン下も予想以上に美味、かつ100円メニューの筑前煮にぐっと来た。

  

 

  


レンコン、ごぼう、人参、鶏肉などいろとりどりの具が入っている。
他にも100円メニューにはおおぶりにカットされたかぼちゃの煮たのや、
ししゃもなどがある。
梅干しハイもウーロン割りもカルピスハイもマッコリも200円。
一番高くてビール大瓶が450円。
そして驚くのホッピーの中(なか)が一杯50円。
50円玉一枚あれば、「中おかわり!」であと焼酎一杯分うだうだできるわけだ。
(中の都内平均はだいたい200円)
まさに、もんなかの奇跡である。