成功率が高い老後貯蓄の方法は?

飯村さんによると、実際、30~40代の夫婦が、老後資金を貯めるのに成功している方法があるのだそうです。どんな方法なのでしょうか?

飯村「それはずばり『先取り貯蓄』です。毎月の収入から、あらかじめ老後資金としての金額を確保しておくということです。

30~40代の夫婦は、子育てもあり、教育費や生活費がかかります。そうした目先の費用のうち、余ったお金を毎月、老後資金に回そうとしても、余る月もあれば、余らない月もあり、安定的に貯めていくことはむずかしいものです。

先に5千円、1万円、2~3万円でも老後資金として確保しておけば、必ず貯められます」

飯村さんによると、先取り貯蓄はiDeCoのほか、つみたてNISAもおすすめだそうです。

飯村「『つみたてNISA』は投資信託を積み立てて購入していく投資スタイルで、これも国が推奨しているものです。

通常、預金や投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAで得た利益は非課税になります。

また、つみたてNISAは、途中で引き出すことができるため、老後資金以外にも活用できます。

ただし、運用なので、うまくいかないと損をしてしまう可能性があります。投資する先を分散させたり、長期間で運用したりしてリスクを減らしましょう」

国がやっていることに乗っかるのがコツ!

飯村さんに、老後資金を貯めるコツを教えていただきました。

飯村「iDeCo(イデコ)やつみたてNISAといった国が税金を優遇してくれる制度を活用するのがコツです。

定期預金は金利がほとんどつかないため、老後資金のような長期で貯めていく場合はもったいないところがあります。iDeCoには節税のメリットもあります。

公式サイトのほか、分かりやすく解説しているWebサイトもいくつかありますので、ぜひ参考にしてみてください」

老後資金を考えていくことは、超高齢社会になっている日本にとって今後、当たり前の時代になっていくかもしれません。

まずは「先取り貯蓄」をはじめましょう。

商品にはどんなものがあるのか、また我が家にとって最適なものはどれかを夫婦で検討してみるのがよさそうです。

【取材協力】飯村久美さんプロフィール
日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー。FP事務所アイプランニング代表。
金融機関在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得後、FPとして独立。2006年、FP事務所アイプランニング開業。これまでの家計診断は1000世帯。ファミリー世帯や女性の幸せなマネーライフをサポートしている。テレビをはじめとするメディア出演歴多数。

著書に「子どもを持ったら知っておきたいお金の話」(中経出版)「ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法」(アスコム)などがある。

ライター。美容、健康、グルメなど、今ドキ女性が気になる情報をお届けしています。素朴な疑問を調査したり、専門家に聞いたりして、分かりやすく読者に伝えるのがモットー。