(左から)朝原雄三監督、杉咲花、野村周平、樋口可南子、佐藤浩市、北川景子、吉田羊、柄本明

 映画『愛を積むひと』の完成報告会見が13日、東京都内で行われ、出演者の佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、吉田羊、柄本明、朝原雄三監督ほかが登壇した。

 本作は“日本で最も美しい村”と称される北海道・美瑛町を舞台に、一組の夫婦と、そこに集う人々を優しく描く人間ドラマ。

 今回、樋口と夫婦役としては初共演となった佐藤。樋口との事前の打ち合わせなどは「ほとんどしなかった」と明かすと、その理由について「世代も近いし、やっぱり同じように日本映画界に入って、映画に対する意識に近いものがあったような気がして」と説明。「そのままスッと夫婦(役)に入れた」と役作りを振り返る佐藤に、樋口も同調して「佐藤さんとは同じ時代を生きてきた匂いがする。お互いに持ち寄ったもので“音合せ”みたいなことができたのは、初めての経験だった」と手応えをにじませた。

 本作の内容にちなみ“理想の夫婦像”を尋ねられたキャストたち。娘役を演じた北川は「私も、結婚していてもおかしくない年齢なんですよね…」と考え込んでから「今回の映画で浩市さんが演じた篤史は、自分の感情や、思っていることをあまり言葉にはしないけど、それをいつも奥さんがおもんぱかったり察していたりするのが、すごく美しい夫婦の形だなと思った」としみじみとコメント。

 2人の関係性に憧れを抱きつつ「言葉や形じゃないところでお互いを思い、また支えられている。持ちつ持たれつ、長く一緒にいるのがいいんじゃないかな。無償の愛がすてきだと思います」と語っていた。

 続く吉田は「それが分かっていれば、今私は独身じゃないんですが…。私は九州女なので、男性を立てつつ、実は手のひらで転がしているのが理想かなという感じです」と回答。

 最後に柄本は「うちは40年ぐらい一緒なんですが、忍耐、辛抱、諦め、そして絶望ですかね。まあそういったところを通り抜けていって、それでも一緒にいられりゃいいんじゃないですか」と苦笑い交じりに話し、笑いを誘った。

 映画は6月20日から全国ロードショー。

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