女優の杏さんなど、歴史好きの女性が“歴女”と呼ばれて久しいですが、歴史に少しだけでも興味がある女性は、少なくないのではないでしょうか。

だからといって、司馬遼太郎や松本清張の歴史などは、歴史本初心者の女性にとっては、なかなかとっつきにくい。
そんな方に是非紹介したい、読みやすく興味深い“歴女本”があるのです。

「もしも紫式部が大企業のOLだったなら」井上ミノル著/創元社

基本的に漫画本で、キャッチーなイラストで描かれているからとても読みやすいです。この本のおもしろいところは、歴史的事実をそのまま漫画にして書いているのではなく、歴史上の人物の特徴を捉えた上で、それを現代設定に置き換えて描いているところなのです。

いまも著名な人物たちが、どのように書かれているかというと…

《紫式部》携帯小説「源氏物語」がヒットして商社(実際は宮廷)にスカウトされましたが、女社会に溶け込めず5ヶ月ほど出社拒否。平安時代は、賢い女は特に同性から嫌われたので、その後はあえてバカに振る舞って社会復帰を果たしていく姿など、女性が悩みながら生きる術を身につけていく様が書かれています。

代表作の中でも特に「紫式部物語」は、悩みながらもキャリアウーマンとして成長して行く元専業主婦の紫式部自身のエッセイ集で、専業主婦時代の友人との溝に悩んだりしている紫式部の話は、1000年前もいまも女性の悩みは変わらない、と共感を持つことができます。