12月8日に開催された「Live Commerce Show 2018」。1回目を上回る来場者が集まり、市場の今後の展開についてスピーチやディスカッションが行われた

事業に新規参入する企業が相次ぎ、急速に拡大しているライブコマースの世界。市場の盛り上がりを受け、今年7月に第1回が開催された「Live Commerce Show 2018」(主催:ライブコマース推進委員会)の第2回が早くも12月8日に開催された。

「Live Commerce Show 2018」は、ライブコマースの最新動向を発表し、新たなビジネスモデルを模索することを目的とするカンファレンス。初開催となった前回は、ライブコマースのプラットフォーマーやソリューションを展開する企業が登壇し、今後の市場の展望を示した。

半年を経て開催された第2回は大幅にパワーアップ。技術開発者、マーケッター、プラットフォーマー、プレイヤーなど、さまざまな立場の業界関係者がスピーチし、ライブコマースの盛り上がりを来場者に伝えた。

開会挨拶でライブコマース推進委員会の李赫氏は、「ライブコマースは“コマース”という部分がフォーカスされがちだが、本当に大切なのは新たな“コミュニケーションツール”ということだ」と、その本質を説明。スマートフォンのインターフェースの進化を例にあげ、今後のライブコマースの可能性について見解を示した。

今回は、初めてKOL(Key Opinion Leader)としてメルカリチャンネルで活躍する峰松蓮さんが登壇。峰松さんは現役の大学生で、2017年11月にライブコマースを始めるまでは、アパレル販売どころかSNSの経験がなかったという。

「タレントやインフルエンサーでなくても稼ぐことができるのがライブコマースの魅力」と語る峰松さんは、配信は不定期で月10回程度、1回の配信時間も3~5時間として配信頻度は多くない。それでも、手書きのメッセージカードを商品に封入したり、購入者の好みを正確に把握したりと、常に購入者の目線に立った番組企画を心がけることで、固定ファンを増やしているそうだ。

カンファレンスでは、登壇企業がブースを出展し、自社のソリューションの紹介や商談も行われた。ライブコマース推進委員会は、来年には、韓国・中国でもカンファレンスを開催予定。すでにサービスが成熟している両国とも協力しながら、国内の市場の活性化を目指す。

マクロミルが18年7月に実施した調査によると、10~40代のライブコマースの認知度は約30%とまだ発展途上。ただ、同調査ではライブコマース経験者の利用継続意向が約85%と非常に高いというデータも出ている。2019年はライブコマースが一過性の流行ではなく、ECの新たな手法として定着するか否かを占う重要な1年になりそうだ。(BCN・大蔵 大輔)