80年代の懐かしさと恥ずかしさが全開!
細かな描写がじわじわくる『文化人類ぎゃぐ』

最近いろいろな分野で見直されている80年代。音楽にしろファッションにしろ、独特な時代でした。ちょうどバブル景気が始まったころということもあり、少々浮かれていた時代だったと言えるかもしれません。そんな時代に一世を風靡したマンガが相原コージによる『コージ苑』。不条理ギャクマンガの元祖的な存在で、ビックコミックスピリッツに連載されてましたが、相原氏はちょうど同時期、漫画アクションで『文化人類ぎゃぐ』という作品も連載していました。

内容は、当時の若者のライフスタイルをおもしろおかしく切り取ったギャグ漫画なのですが、当時の雰囲気が非常によくわかります。特に、東京に出てきたばかりの地方出身者やDCブランドブームに踊らされる若者の描写などは、同時代を過ごした人間にとっては「そうそう、こんなヤツいた!」とものすごく懐かしくなること請け合いです。ただ同時に、ちょっと恥ずかしい気持ちにもなりますね……。

というわけで、80年代に青春時代を過ごした人にはもちろん、バブルの時代の雰囲気を味わってみたいという人にも、オススメの1冊です。

古き良き時代の純愛ストーリーに引き込まれる
『風呂上がりの夜空に』

 『風呂上がりの夜空に』は、先に紹介した『文化人類ぎゃぐ』とは少し違った側面から80年代を描いた名作です。

1984年から週刊ヤングマガジンで連載されたこちらの作品は、高校生の主人公・松井達吉と、風呂屋の看板娘であるヒロイン・花室もえの恋愛を描く青春マンガ。1話完結型で描かれる主人公達の淡々とした日常には、80年代のファッションやカルチャーが散りばめられています(これが、懐かしくもダサかっこよくてたまらない!)。

ヤンマガの連載というと男子向けコミックに思われるかもしれませんが、当時は女子にも人気が高かった作品です。

コアなファンが多い作品なので、連載をリアルタイムで追っていた読者も多いかと思いますが、大人になったいま改めて読み返すと新たな発見があるはず。心だけでも80年代にタイムスリップした気持ちになれる名作です。

いかがでしたか? ここで紹介した作品は、「絶版マンガ図書館」のほんの一部。まだまだ懐かしい名作は眠っているので皆さんも探してみてください。

かわいいグッズやシュールなキャラクターに目がないフリーランスライター。ご当地キャラと出会うための全国行脚を生き甲斐としており、特に新参ゆるキャラの登場には高校野球のスカウトマン並みに目を光らせている。最近の連絡手段はもっぱらLINE一択、ショップでかわいいクリエイターズスタンプを発掘するのが日々の楽しみです。