シュリスペイロフ シュリスペイロフ

3人組オルタナティブロックバンド、シュリスペイロフが5月20日(水)に4年ぶりのフルアルバム『その周辺』をリリース。メンバーの3人に話を聞いた。

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シュリスペイロフは1999年に札幌で結成。高校の同級生だった宮本英一(vo、g)とブチョー(ds)で組んだバンドに、メンバー募集に応募してきた野口寛喜(b)が加わった。当時、ライブハウスに出演する方法がわからず5年間もの間、スタジオで宮本が作るオリジナル曲を合わせ続けたという。「自分たちのクオリティが同世代の中でどれくらいか比べるところがなかった。モチベーションはもっと高いところにあった。ライブをやりたいと思ってライブハウスに出てるバンドを観たら大したことなくて”やれるな”と思った。誰もやってないような曲をやりたいと考えて曲を作ってたけどそこまで辿り着けてはいなくて、5年間、才能あるのかな?ないのかな?って気にしてましたね」(宮本)。

『ダイバー』という曲が出来たときに手ごたえをつかんだ彼らはその後も札幌で活動を続け、インディー、メジャーでCDをリリース。次の作品が出せる環境がなくなったときにthe pillowsの山中さわおに、主宰するDELICIOUS LABELに「入れないですか?」と直訴したという。「当時一番わかって下さる方がさわおさんだったので、あそこだったら自由にやらせてくれるかなと思って」(宮本)。晴れて移籍を果たした彼らは札幌から東京に居を移し、2014年4月に5曲入りミニアルバム『turtle』をリリース。「当時33歳。バンドの辞め時と言えば辞め時(笑)。そのタイミングで東京に来たので覚悟みたいなものはあった」(宮本)という。

5月20日(水)にリリースするフルアルバム『その周辺』。抜群の演奏力、緻密さと偶然のバランスが絶妙なアレンジ、独創性あふれるオルタナ・サウンドはクセになる中毒性を孕む。「面白いベースを弾きたいというのは常々ある。このアルバムでへんてこな部分も含めていろいろできた」(野口)と仕上がりにはメンバーも自信をのぞかせる。

今後の夢を訊くと「東京に来て大きなステージに立たせてもらえるようになったけど、まだ自分たちが主役じゃないので、その規模で自分たちを観に来て一緒に楽しめるような環境になりたいですね」(ブチョー)と意気込んだ。

(取材・文/浅野保志)

■アルバム『その周辺』
5月20日(水)発売
2,500円(税込)