柏木陽介(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE PHOTOS 柏木陽介(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE PHOTOS

5月23日(土)・埼玉スタジアム2002でのゲームは、ハイレベルな攻防が期待できることだろう。そう、『明治安田生命J1リーグ』1stステージ第13節・浦和レッズ×鹿島アントラーズの話である。両軍とも『ACL』グループステージで敗退し、前節から中6日でゲームに臨む。過密日程の身体的負担もなく、戦術を含めた準備も怠りはない。

5月23日(土)浦和×鹿島 チケット情報

8勝3分と唯一の無敗で首位を走る浦和は、前節見事なパフォーマンスを披露した。積極的なハイプレスと球際の強さでFC東京に攻撃のリズムを作らせず、攻撃ではスピーディかつパワフルな縦への動きで圧倒。左・宇賀神友弥からのクロスをFW・李忠成、MF・関根貴大が決め、右・関根からのクロスをFW・武藤雄樹がゴールした。FC東京に1点返されると、その2分後にMF・梅崎司が相手のミスを逃さず4得点目をマーク。首位攻防戦となったゲームは4-1の完勝劇となった。

強さを見せ付けた浦和の中で、存在感を発揮していたのがボランチの柏木陽介だ。ペトロヴィッチ監督も「以前は好不調の波があったが、柏木は大人になった。彼の仕事は攻撃のスイッチを入れることと、守備のバランスを見ること。チームをオーケストラに例えるならば、彼は指揮者の役割を果たしている」と絶賛した。

マエストロと言えば、鹿島にも新旧日本代表の有能なボランチがいる。小笠原満男と柴崎岳だ。第2節で負傷した小笠原だが、ここ2試合はフル出場とコンディションを上げてきた。卓越した技術と洗練されたゲームコントロール術を随所に垣間見せている。小笠原の復調で負担が軽減したのが柴崎だ。今後もチャンスメイクにシュートと、ストロングポイントである攻撃力を発揮することだろう。

前節・新加入したFW・ジネイがさっそくゴールを決めるなど、明るい材料が見える鹿島だが、4勝3分4敗の暫定8位と波に乗り切れていない。先週のサンフレッチェ広島戦でも、守備陣のミスで2-2に終わった。リーグ最少タイの浦和の9失点に比べると、15失点はあまりにも多い。ただ、浦和にとって、簡単な相手とはならないはずだ。鹿島は課題だったセットプレーの守備を建て直しつつある。第11節・FC東京を相手に1-0というスコア以上の安心感を抱かせる勝利を挙げた。らしくないミスや取りこぼしも散見するが、ここぞという時は「さすがアントラーズ」と思わせるパフォーマンスを見せている。

5月23日(土)のゲームは、浦和がこれまでの勢いそのままに鹿島を飲み込むのか、勝負どころを知る鹿島が浦和に初黒星をつけるのか。勝敗は予測できないが、フィジカル・メンタル両面でリフレッシュし、戦術も徹底された両軍がクオリティの高い試合を埼玉スタジアムで展開するはずだ。チケット発売中。