動物性タンパクは効率のよい栄養源

タンパク質を摂るなら「大豆」を食べればよいのでは、と思うかもしれません。
大豆はたしかに栄養豊富なタンパク源です。しかし、大豆や大豆製品などの植物性タンパクだけで必要な栄養を満たしていくとなると、それなりの努力が必要になってきます。
一歩間違うと、ビタミンB12をはじめとするビタミンB群や、亜鉛・カルシウムなどの微量栄養素が不足する恐れがあるからです。

肉や魚、魚介、卵などの動物性食品には、タンパク質や脂質などの必須栄養素のほか、体の機能を調整してくれるビタミン・ミネラルなども含まれています。
ビタミン・ミネラルというと、野菜や海藻などに多いイメージがあるかもしれませんが、じつは、肉や魚、魚介、卵などの動物性食品にもたっぷり、バランスよく含まれているのです。そのため、毎日質のよい栄養を摂るには、とても効率的。

一方、穀物と野菜、大豆製品などの植物性食品だけで栄養を満たそうとした場合、多くの種類や量を食べるようにしなければならず、栄養バランスをとるのがなかなか難しいのです。最近では野菜の栄養価が落ちているといわれますし、なおさらです。
巷で見かける“ヘルシーなランチ”に、タンパク質がしっかり入っているか…。注意してみてください。

肉・卵・乳製品は食べても太らない!

「肉や卵や乳製品を食べると太るのでは…?」そんな心配はありません。
「肉を食べると太る」と言われるのは、肉と一緒にごはんやパンや麺類、その他お菓子などの“糖分”をたくさんとってしまうことが原因です。

お肉には、質のよいタンパク質以外にも「ビタミンB群」など、糖や脂質、タンパク質を代謝する成分が多く含まれています。卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含む、ほぼ完全な栄養食品でありながら、血糖に影響しないため太りません。

逆に、タンパク質は食事誘発性熱産生(=DIT)が高いため、自然に代謝を上げ、体脂肪を燃やしてくれるのです。

それがどの程度、エネルギーを消費するかというと、
糖質のみ⇒約6%、脂質のみ⇒約4%、タンパク質のみ⇒約30%。
よく噛んで食べることによって、さらにエネルギー消費効果が高まるといわれています。

栄養バランスが悪いと、代謝が下がります。乳製品に多く含まれるカルシウムも、不足すると脂肪が燃えにくい体になるといいます。動物性脂肪は、ほどよい摂取で食後の満足度を高め、それでいて痩せやすい体質にしてくれるのです。