KDDI研究所、60GHz帯通信とLTEを協調動作させる通信方式を開発

2015.5.26 19:17配信
60GHz帯通信とLTEを協調させることによって、60GHz帯の高速回線を十分に活用できる

KDDI研究所は、5月25日、60GHzを中心に世界中で免許不要で利用できる帯域として割り当てられている周波数帯「60GHz帯」とLTEが協調動作してデータを転送する新しい通信方式を開発したと発表した。実際にAndroid搭載端末上で動作させることに成功。エリア構築が難しい高周波数帯に対して、移動通信サービスへの応用が期待できる。今後は、関係機関と連携し、2016年度上旬に大規模な実証実験を予定。実用化に向けた検証を行う。

これまで60GHz帯の電波は、1Gbps以上の広帯域伝送路を提供できる一方、遠くまで電波が届きにくいことから、移動通信サービスでの利用は難しいとされてきた。また、現在のLTEの数百Mbpsレベルの速度から数Gbpsとなるため、固定網の回線速度が問題になることも想定される。これに対して、今回、60GHz帯通信とLTEを協調させる通信方式を開発。ユーザーが今後必要とするコンテンツを先回りさせるシステムと、新しいネットワークアーキテクチャ技術として研究が進められているCCN(Content Centric Networking)技術を使用した。

Linux OSとAndroid OS上に実装し、CMOS LSI[1]を用いた60GHz帯ミリ波無線プロトタイプ[2]を使用して、LTEと60GHz帯を協調させて動画のダウンロード再生ができることを確認した。60GHz帯とLTEをユーザが意識することなく利用できるため、動画など大きいサイズのコンテンツをダウンロードする際の終了時間の短縮とともに、LTEのトラヒック(通信量)の60GHz帯へのオフロードを実現。今後モバイルトラヒックが増加した際にもLTEネットワークの混雑を避け、快適なネットワークを提供できることが期待できる。実機を用いた検証試験の結果では、ダウンロード時間をLTEのみを使った場合と比較して5分の1以下にまで削減し、LTEのトラヒックを最大約90%、60GHz帯にオフロード可能であることを確認した。

今回の成果は、総務省の電波資源拡大のための研究開発「ミリ波帯ワイヤレスアクセスネットワーク構築のための周波数高度利用技術の研究開発」の一環によるもの。実験結果は、東京ビックサイトで5月27~29日に開催する「ワイヤレステクノロジーパーク」でデモンストレーションする。

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