男子を強くさせる“アゲマン力”

男性陣の中で紅一点であるしずかちゃんには、時々周りの男子に底知れない勇気を与える“アゲマン”要素が見られます。

「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」(1988年公開)では、三蔵法師と共にしずかちゃんが妖怪たちにさらわれてしまいます。その事態に「しずかちゃんが危ない!助けなきゃ」と男性陣が奮いたちます。女の子らしくて、いつでもみんなの仲間であるしずかちゃんのピンチとなると、のび太はもちろん、他の男性陣も力を尽くして戦います。

「ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」(1997年公開)では、敵に追われている最中にしずかちゃんが大地と大地をつなぐはしごの最中にスカートが引っかかり、動けなくなってしまいます。
先にはしごを渡りきったのび太ですが、しずかちゃんのピンチに気づき、間髪入れずに助けに戻ります。敵に限りなく近づくことや、はしごの下は奈落の底であることをものともせず、のび太はしずかちゃんを助けようとするのです。そこには、いつもの弱虫なのび太の影は全くありませんでした。

しずかちゃんは、のび太をもヒーローにさせる“アゲマン力”も兼ね備えているのです。

ムダな主張はない“なでしこ力”

映画では毎回、呑気なのび太に「ドラえもんのすごい道具があるんだ!これでちょっと冒険に出ようよ!」と誘われるしずかちゃん。そして、行った先では必ずトラブルに巻き込まれます。

そんなことになっても、しずかちゃんは「なんで危ない目に合わせるの?」「安全だって言ったじゃない!」と女性ならヒステリックになって言ってしまいそうな文句や愚痴を決して言いません。

しずかちゃんは毎度、さらわれたり監禁されたりしますが、辛抱強くみなを待ち続け、助けにきてくれた男性陣の姿を見ると「きっと助けにきてくれると思っていたわ」と涙を流して喜び、感謝します。ムダな主張はなく、じっと男性を信じて待つ“なでしこ力”も備えているのです。