「freetel priori2」

5月1日からスマートフォン(スマホ)のSIMロック解除が義務化され、SIMロックフリースマホとMVNOのSIMカードが注目を集めている。みなさんの周りにも大手通信キャリアのサービスを卒業して、“SIMフリースマホ”に乗り換えた人がいるのではないだろうか。とはいえ、興味はあるものの、どの端末、どの通信サービスを選べばいいのかいま一つわからない、という声も多い。賢く“SIMフリースマホ”を選ぶためには、どんな点に気をつければいいのか改めてまとめた。

まず、揃えるべきものは「SIMロックのかかっていないスマホ」と、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「SIMカード」だ。以前は、ウェブサイトからしか購入できなかったが、最近では家電量販店や大手レンタルビデオ店などでも販売している。  なかでも注意が必要なのがSIMカードだ。「データ通信専用」「SMS機能付き」「音声通話対応」の3種類があるので、自分に必要なSIMカードを選ぼう。例えば、「データ通信専用」は、安いプランで月額1000円以下で利用できるが、データ通信専用なので通話ができない。音声通話は不要だが、LINEなどを利用したい人は「SMS機能付き」を選んだ方がいい。大手キャリアのスマホと同じようにインターネットも音声通話も使いたい人は「音声通話対応」を選ぼう。なお、音声通話は、定額制を採用している大手キャリアと異なり、使った分だけ払う「従量課金制」がほとんど。あまり電話を利用しない人にとっては、毎月のランニングコストを抑えることができる。

そして何より、端末の使い方がわからなくなったときのユーザーサポートが充実していることが重要だ。端末、通信プラン、サポートの三つのポイントでユーザー満足度の高いブランドがfreetel(フリーテル)」だ。

●格安ではなく「適正価格」で提供する「freetel」

「freetel」は、決して格安ではない。高品質のスマホ、通信サービスを「適正価格」でユーザーに提供することをコンセプトに掲げている。それでもほかのMNVOやSIMフリースマホメーカーと比べて高いわけではない。それは端末、通信サービス、ソリューションの三つを自社で手がけることで価格を「適正」に設定できているからだ。

今春に開催した記者会見では、増田薫CEOが「端末、通信とアプリの三つで手がけられるのが『freetel』ブランドの強み」であり、同社が目指す方向性は、端末や通信サービスの「格安化」ではなく、高品質なものを「適正価格」で多くのユーザーに届けることであると強調した。

それでは「適正価格」の一つ、端末を見ていこう。いま最も人気を集めているのが「freetel priori2」だ。ラインアップは、LTE対応版の「priori2 LTE」と3G専用の「priori2」がある。

スマホは肌身離さず持ち歩くアイテムなので、価格もさることながらデザインや機能が満足できないのであれば「適正」とはいえない。その点、「priori2」は、どうなのだろうか。

「priori2」は、LTE版も3G版も通信機能の部分を除けば基本のスペックは共通だ。本体には4.5インチ/FWVGA(854×480ピクセル)のタッチパネル液晶を搭載。画面は精彩感も十分で、YouTubeやゲームの動画を楽しんでも普通に画質が良くて快適だ。撮影した写真のビューワーとしてもしっかりと活躍してくれる。しかも、バッテリ容量は1700mAhと十分な容量を確保されている。

OSはAndroid 4.4を採用。もちろんGoogle Playストアからアプリが自由に追加できる。クアッドコアのCPUを積んでいるので操作のレスポンスは機敏だし、132gと軽くて、奥行きも8.9mmとスリムなので、片手持ちでの操作もスムーズにこなせる。GPSと電子コンパスが内蔵されているので、Googleマップやプリインストールされている「コンパス」アプリによるナビゲーション機能も万全だ。

カメラはメイン側が5メガ。フロント側も2メガだ。試し撮りした写真は精彩感もあり、カラーバランスもナチュラル。音楽再生はイヤホンリスニングはもちろんのこと、Bluetoothに対応しているので、ワイヤレススピーカーをつないで楽しむこともできる。本体の内蔵メモリは8GBだが、microSDカードで容量を拡張できる。

外回りや海外出張が多いビジネスパーソンにとって必須ともいえる機能をSIMフリーのスマホでも使えるなら、大手通信キャリアのスマホから乗り換える際に決め手の一つになるだろう。

LTE版は最大10台まで、3G版も8台までの機器にテザリングができるので、本機がWi-Fiルーター代わりになる。海外では国際ローミングに対応しているので、音声通話とSMSの送受信が利用可能だ。バックパネルを開けると、SIMスロットが現れる。3G版は標準SIM、microSIM、LTE版はmicroSIM×2のデュアルSIMスロットを搭載している。片側にはfreetelのSIMカードを挿して、もう片側に海外で購入した現地のSIMカードを装着して使うこともできる。

本体カラーはマットブラック、パールホワイトの2色だが、オプションとして販売されている27色の着せ替えカバーを付け替えれば、ユーザーの個性をアピールできる。女性ユーザーも、選んで楽しいスマートフォンといえる。

「freetel priori2」は、ハイスペックモデルではないが、普段使いに必要な機能、性能は過不足なく備えている。それで価格はLTE版が1万7800円、3G版が9980円と、まさに「適正価格」で購入できる。

●選べるプランと2年縛りのない通信契約

通信サービスはどうだろうか。通信サービスは「freetel」のウェブサイトから申し込む。端末だけであれば取り扱いの家電量販店でも購入できるが、端末とSIMの両方が必要な場合は合わせてウェブサイトから申し込むといいだろう。

また音声付きSIMを申し込む際は、現在使っている携帯電話/スマートフォンの番号をそのまま引き継いで使えるMNP(携帯電話番号ポータビリティ)に対応しているので、その手続きもウェブ上でできてしまう。

端末とSIMカードをセットでウェブから申し込むと、最短で申し込み当日発送、翌日に製品が自宅に届く。他社はSIMカードを端末に挿入するのはユーザー自身が行わなくてはならない。しかし、「freetel」はSIMカードを挿入して、電源を入れたらすぐにインターネットや電話が使える状態で届くので、初心者でも安心だ。

次にプランを選ぼう。一か月に利用できるデータ量がどれぐらいかをチェックしよう。「freetel」の一押しプランは音声付きSIMの「freetel mobile ネットし放題 電話プラス」だ。1/2/3/5/7GBの五つのプランを用意し、月額料金は1270円~2880円。

ウェブサイトではユーザーの使用用途に合わせて「インターネット検索やメール、LINEなどの利用がメイン=1GB」「頻繁にゲームや動画や音楽を楽しみたい方=5GB」といった具合に容量の目安がわかりやすく記されている。これをヒントにしながら自分に合ったプランを選ぶといいだろう。

ちなみに、通常のインターネット検索やメール、LINEなどをメインで使う場合は月間1GBでも十分足りると思う。ただ、通勤・通学途中に少しは動画を見たり音楽ダウンロードも楽しみたいなら月額1480円で2GBまで使えるプランがおすすめだ。LTE通信はNTTドコモの携帯電話網を利用しているので、全国に広く展開するNTTドコモのエリアでつながる安心感も高い。LTE版の通信速度はNTTドコモの最大速度150Mbpsの高速ネットワークが利用できる。

「freetel」は、“2年縛り”などの最低利用期間が設けられていない。MNPによる転出の場合を除いては、解約時に解約金が発生しないのも、気軽に乗り替えられる一つのきっかけになる。

●料金プラン比較 電話をほとんど使わない人なら4分の1以下に

この「freetel」のプランが大手通信キャリアと比べてどれほど「適正価格」なのかをみてみたい。今回はNTTドコモの「iPhone 6(シルバー)/16GB」を新規一括購入した場合を例にしてみよう。

「iPhone 6/16GB」を一括購入する場合の端末代金は税込み7万8000円。一方、月額料金は、カケホーダイプランが2700円、インターネット接続料が300円必要となる。さらに、データ通信のパケットパックから最も小容量の「データSパック(2GB)」を選ぶと3500円が加算され、毎月のランニングコストは合計6500円になる。

一方、「priori2 LTE」の端末代金は、税込み1万7800円。端末代金で「iPhone 6/16GB」の4分の1以下に抑えることができる。月々のランニングコストは毎月2GBまで使えるプランだとたったの1480円。音声通話は従量課金制なので、全く電話をしない人ならラニングコストも4分の1以下に抑えることができる。

通話料金は30秒で20円。LINEなどSMS認証を必要とするサービスを活用したいのであれば、月額150円のSMSオプションサービスを申し込む必要がある。SMSは1通あたり3円で送信可能。このほか、3000円の初期手数料が必要になるが、それ以降は「1630円+通話したぶんの金額」と、これはかなりお得ではないだろうか。

ここで少し心配になるのが毎月の通話料金だ。かけ放題を利用すると、1か月にどのぐらい通話しているのか、なかなか把握しにくい。一例として、MMD研究所が実施したユーザーアンケートを紹介しよう。2014年夏に実施したスマートフォンユーザーのデータ通信・通話利用に関する調査によれば、1か月間の通話時間が「1時間未満」という回答が8割近くにまで上ったのだという。

1か月1時間通話をしたと仮定すると、通話料金は2400円となり、カケホーダイプランの2700円より安い。友人との通話はLINEなどの無料通話アプリを併用したり、通話料半額アプリ「通話料いきなり半額」を利用したりするとよりコストを抑えることができる。

「freetel」は、日本のユーザーを主なターゲットにビジネスを展開しているので、商品は高い品質基準を守りながら製造している。また、端末も通信サービスも自社社員がコールセンターのサポートをしているので、迅速で的確なサポートを受けられる。ユーザーにとっては、手厚くレスポンスのいいアフターケアが受けられるのも嬉しい。

この機会にSIMロックフリースマホに乗り換えてみたい、あるいは新規に購入してとにかく電話代を安く抑えてスマホライフを満喫したいという人にとって、「freetel」のサービスは大本命の選択肢だ。(オーディオビジュアルライター 山本 敦)