(左から)永瀬正敏、河瀬直美監督、樹木希林、浅田美代子

 映画『あん』の初日舞台あいさつが30日、東京都内で行われ、出演者の樹木希林、永瀬正敏、浅田美代子、主題歌を担当した秦基博、河瀬直美監督ほかが登壇した。

 本作は、ドリアン助川の同名小説を映画化。小さなどら焼き屋を舞台に、一人の老女と周囲の人々が“人生とは”を問い掛ける魂の物語。

 千太郎(永瀬)の店で働くことになる徳江を演じた樹木は「吉井徳江でございます。今日はありがとうございます」と役名であいさつ。続いて秦があいさつを終えると「秦さんの使っていたマイクと交換してもいいですか。だって、秦さん(マイクに)口をくっ付けてしゃべってたでしょ」と語り、観客の笑いを誘った。

 また、秦がサプライズで主題歌「水彩の月」を披露すると、じっと聞き入っていた樹木は「ありがとうございます」としみじみと礼を述べた。

 永瀬も「すごい曲を作られたなと。僕はどうしても(役の)千太郎として聞いちゃうので。すみません…」と声を詰まらせながら樹木をハグすると、客席から温かい拍手が送られた。

 この日は河瀬監督の誕生日で、作品にちなんだ「どら焼き」ケーキも登場。「ところであなた何歳になったの?」と尋ねた樹木は、「26歳です」とおどける河瀬監督に、「お若いわね。まだまだこれからね。頑張って」とエールを送った。