「韓国IT EXPO 2015」ではIoTがキーワードに

韓国でも2015年は「デジタル爆発時代」として「ウェアラブル」や「IoT(Internet of Things=モノのインターネット)」などが注目されている。大韓貿易投資振興公社(kotra)は6月2日、都内のホテルで「韓国IT EXPO 2015」を開催。韓国のITベンチャーなど51社が出展した。従業員30人前後のITベンチャー企業が、開発中のコンシューマー向けIoT製品を展示した。

韓国は人口5000万人の約8割に相当する4000万人がスマートフォンを使っているという。Androidが85%、iOSが14%と日本とは対照的だが、LTEの普及率が61%など、モバイル機器がデジタルライフのプラットフォームになっている。

「韓国IT EXPO 2015」に出展したクラウドビックデータやソフトウエア、セキュリティ関連のベンチャー51社のうち、IoTコーナーには7社が参加。中には、2000年前後に設立した従業員30人以下の小さな会社もIoT商品を展示した。

たとえば、2010年に設立した従業員12人のフィットドットライフという新興ベンチャーは、フィットメーター(Fitmeter)という活動量分析計を展示。たんに消耗カロリーを測定するだけでなく、活動量に応じた活動強度(MET)という値も正確に測定できる。使い方は簡単で、小型センサーをズボンのポケットや腰、手首に取り付けるだけ。運動した分のMETデータがBluetooth経由でスマートフォンに送られて、スコア化されたグラフで表示される。このソフトウエアのアルゴリズム技術に強みを発揮するという。

また、2008年設立の従業員12人のSOSO H&Cは、脳波と心拍を同時にリアルタイムで測定して、そのデータをタブレット端末などにグラフ化して表示できるBRAINNOを展示。脳波の状況に応じてリラックスできる音楽や色、ゲームなどを紹介してくれる。担当者は「脳トレという集中力などを高めるゲームがあるが、そのときの脳波の状況がリアルタイムで認識できるようになったと思えば理解しやすい」と語った。

ほかにも、IoTシステムLEDソリューションを展示していたJPK KOREAは2010年設立の従業員25人の会社。個々のLEDに赤外線(IR)センサーを取り付けるだけで、人が通ったときに連動してグループ化されたLEDが次々に光っていくという技術を紹介した。

具体的には、大型スーパーなどの地下駐車場で10%に抑制して光らせているLEDを、人が通過する時だけ次々と明るくしていくイメージ。コンシューマーというよりは、BEMS(Building Energy Management System)向けの節電提案システムだが、こうした分野にもIoTは当然のように入ってくる。

IoTは何も大手企業だけのものではなく、ベンチャーも続々と参入して商品を開発・製造している。IT専門調査会社のIDC Japanによると、国内のIoT市場は2019年に16.5兆円規模に達する見通しだという。新しいIoT市場の中で、デジタル家電やアプライアンス製品にどのように反映されるのか。まだ始まったばかりだ。

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