「カワイクなくちゃいけないリユウ」左から村井良大、植原卓也 (撮影:西村康) 「カワイクなくちゃいけないリユウ」左から村井良大、植原卓也 (撮影:西村康)

昨年、『ザ・シェイプ・オブ・シングス~モノノカタチ~』が向井理主演により舞台化されるなど、日本でも注目を集めている気鋭のアメリカ人脚本家、ニール・ラビュート。そんな彼が書いたちょっとブラックなラブコメディ、『カワイクなくちゃいけないリユウ』の上演が決定。初共演を果たす、村井良大と植原卓也に話を聞いた。

「カワイクなくちゃいけないリユウ」 チケット情報

登場するのはグレッグとステッフ、ケントとカーリーの2組のカップルのみ。ある日、些細なことをきっかけに、ステッフはグレッグへの怒りを爆発させ……というのが話の始まりだ。「たったひと言が原因で、ここまで怒りが膨れ上がるカップルっていうのもおかしいですよね(笑)。でも男女のすれ違いって、実際こういう小さなことから始まるんだろうなと。ちょっと哲学的な感じもしますね」(村井)、「僕は改めて、女性って強いな、怖いなって思いました(笑)。でも見た目とかをすごく気にする、そういった点はかわいらしいですよね」(植原)。

村井演じるグレッグと、植原演じるケントは、職場の同僚にして親友という役柄。だがふたりの性格は大きく異なる。「グレッグってこの中で一番主張しない人というか、周りに影響をされて、結果少しずつ崩れていくような人。だから稽古場や本番でも、周りのキャストの方にいい意味で助けられながら、感じながら、演じていけたらいいのかなって思いますね」(村井)、「ケントはすごく自由ですし、自分勝手ですし、結構ひどい奴だなって(笑)。ただこういうチャラさをストレートに表現する役を今までやったことがなかったので、そこはすごく楽しみですし、勢いよくやれたらなって思います」(植原)。

客席数約400の小さな劇場で、たった4人の役者が繰り広げる、激しい会話劇。しかもステージを取り囲むように客席が配置されるので、観客はより濃密な劇空間を楽しむことができるはずだ。「僕らとお客さんの距離が近いので、すごくリアルですし、会話劇ならではの熱も伝わりやすいんじゃないかなと。笑える部分もたくさんあるので、ぜひ多くの方に楽しんでいただけたらなと思いますね」(村井)、「やっぱり言葉で勝負していくしかないと思うので、絶対に気合いは入りますよね。まわりが全て客席なので、寝ぐせにも気をつけないとなって(笑)。作品としてはすごくエッジの効いたものになると思いますし、僕らと同年代の方はもちろん、幅広い世代の方に楽しんでいただけたらなと思います」(植原)。

公演は6月2日(土)から10日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場、6月23日(土)・24日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて開催される。東京公演のチケットは3月17日(土)より、兵庫公演は5月13日(日)より一般発売する。なお、東京公演はチケットぴあにて先行抽選の予約を3月13日(火)午前11時まで受付中。

取材・文:野上瑠美子