武藤嘉紀(FC東京) 武藤嘉紀(FC東京)

ドイツ・マインツへの移籍が決定した武藤嘉紀のFC東京でのゲームはラスト3試合となった。『明治安田生命J1リーグ』1stステージ第15節・松本山雅FC戦、第16節・サガン鳥栖戦とアウェイゲームが続き、6月27日(土)・味の素スタジアムでの最終節・清水エスパルス戦がラストゲームとなる。6月11日(木)・日産スタジアムでの『キリンチャレンジカップ2015』イラク代表戦、6月16日(火)・埼玉スタジアム2002での『2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選』シンガポール戦の日本代表2試合を含めれば、関東圏での試合は3試合である。

6月27日(土)・FC東京対清水エスパルス チケット情報

武藤は昨季、現役慶應大生ながら新人最多記録となる13ゴールを量産するとともに、日本代表デビューを果たし、一躍時の人となった。4月には、欧州最高峰のプレミアリーグの強豪・チェルシーから完全移籍のオファーを受け、さらに注目度が高まった。移籍か残留か、チェルシーかマインツか悩む中、武藤は得点ランキング3位タイとなる9ゴールを量産。爆発的なスピードに突破力、天性の得点センスとともに、ハードワークを厭わない運動量で、進歩を止めなかった。そして、マインツを新天地に選んだのだ。

武藤は端正なルックスにさわやかな笑顔、エスコードキッズのこどもたちにやさしく接する姿で女性ファンたちのハートをがっちり掴んでいる。ファンだけではない。マスコミの評判も上々である。クラブハウスでは顔見知りではないマスコミに対しても、「こんにちは」と挨拶を欠かさない。試合後のミックスゾーンでは幾重にも取り囲む記者にも聞こえるように、ハッキリした声で質問に答える。何度か同じような質問をぶつけられても、しっかりと丁寧に説明する。ハートもイケメンなのだ。

武藤の人柄の良さは、前節・柏レイソル戦後のコメントからも見て取れる。「チームにタイトルをもたらせていないのに、移籍することは申し訳ないです。それでも新たな挑戦と成長を続けることが恩返しにもなると思う。FC東京は自分を育ててくれたクラブ。引退する前には絶対に戻ってきたい」

6月27日(土)のFC東京×清水のゲームは、最後の別れではない。武藤が世界のトッププレイヤーの仲間入りを果たし、再びFC東京のユニフォームに身を包むまでのしばしのお別れである。FC東京の背番号14は、クラブ、そしてサポーターへの感謝をそのプレーに込める。1stステージ最終節のチケットは本日6月5日(金)午前10時に発売開始。武藤の最後の勇姿を見逃すな。