武藤雄樹(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 武藤雄樹(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

浦和レッズが『明治安田生命J1リーグ』1stステージ優勝に王手をかけた。6月7日(日)・埼玉スタジアム2002で歓喜の瞬間は訪れるのか。

6月7日(日)浦和レッズ対清水エスパルス チケット情報

6月3日、第10節・柏レイソル戦で浦和は粘り強さを発揮した。柏に2度勝ち越されながらも、試合終了間際に右・関根貴大のクロスを武藤雄樹がヘディング一閃。3-3とし、開幕14試合無敗のJ1新記録を樹立した。これで浦和は10勝4分・勝点34、1試合消化ゲームが少ない2位・ガンバ大阪は8勝3分2敗・勝点27。次節で浦和が清水エスパルスに勝利し、G大阪がヴィッセル神戸に敗れると、1stステージ優勝が決まるのだ。

ベガルタ仙台で過ごした4年間で6得点だった武藤は、浦和へ移籍し3か月で同じゴール数をマークしている。シーズン前は2シャドーのサブ的な位置付けだったが、ここ8試合は先発し、4試合連続得点中だ。タレント揃いの1トップ2シャドーの中にあって、出場時間は最も多い。FC東京の武藤嘉紀の活躍に、「じゃない方の武藤」と自虐ネタにしていた背番号19は、なくてはならない存在になりつつある。

柏戦後のペトロヴィッチ監督のコメントもすこぶる良かった。「2013年は優勝してもおかしくないシーズンだったが、最終的に優勝できなかった。2014年は優勝しなければいけないシーズンだったが、ここでも優勝を逃した。非常に辛く悔しい経験をしたチームがその経験をもとに戦っている。我々は打ちひしがれても再び立ち上がり、強くなり、今のチームがある」

過去2シーズンの悔しさはサポーターも忘れてはいない。2013年は3連敗でシーズンを終え2位から6位に転落した。昨年も残り7試合で1勝3分3敗と急失速し、G大阪に逆転優勝を許した。昨年までの屈辱は、1stステージ優勝では癒えない。ステージ優勝は『Jリーグチャンピオンシップ(CS)』の出場権を手に入れただけに過ぎない。目標は年間勝点1位であり、『CS』制覇である。だが、指揮官も選手もサポーターも、歓喜の瞬間に飢えているのも確か。ファンならば「ステージ優勝はタイトルではない」なんて、斜に構える必要はないのだ。

対する清水は3勝4分7敗・勝点13で17位に低迷するが、決して容易な相手ではない。第13節・湘南ベルマーレに0-4の完敗を喫したかと思えば、前節は5-2と川崎フロンターレを粉砕した。チームトップの6ゴールをマークする大前元紀、前節2ゴールのピーター・ウタカと石毛秀樹らが織り成す攻撃は、ツボにハマれば破壊力満点である。ここ最近は分が悪いが、直接対決でも24勝6分18敗とリードする。

6月7日(日)は浦和が1stステージ優勝を決めるか、清水が一矢報いるか。昨年の清水戦は無観客で行われた。浦和としては清水戦の記憶を無観客試合ではなく、1stステージ優勝の対戦カードに塗り替えたいところ。チケット発売中。