『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』 ©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会 12月28日(金)全国公開

映画そのもののテーマに自身のバナナートへの想いが重なる部分も!

一足早く映画を鑑賞したエンドケイプさんですが「見終わって泣いてしまいました。大泉さんの役への入り込み方が素晴らしかったです。

(主人公が罹患している)筋ジストロフィーについて、相当深く向き合って、挑んでらっしゃるのがいろんなシーンから感じられました」と絶賛。

「高畑さん、三浦さんも素晴らしくて、3名がすごく合っていたなと思います。高畑さんが演じている女性が最初、ウソをついているところや、それを告白するシーンは『こういう女性、ホントにいるよな』『女性ってこういうとき、こうなるよね』とすごくリアルに感じました(笑)。

三者三様のドラマがあり、彼らのドラマが重なる部分、重ならない部分があって、それぞれの生き方が繋がっていくのが見えて面白かったです」と語ってくれました。

また、映画そのもののテーマに自身のバナナートへの想いが重なる部分も! 「僕のバナナートはもともと、バナナの『傷みやすい』というネガティブな要素を逆に利用して作っているものですが、それによってマイナスな要素、ネガティブな部分が一気にポジティブに転化するんです。

僕は、小学校などでバナナートを子どもたちに教える機会もあるんですが、そこでまず言うのが『マイナスなものなんて何ひとつない。考え方や捉え方ひとつで絶対にプラスになるんだよ』ということ。

映画で大泉さんが演じた主人公は、まさに自分の身に起きている様々な要素を自分でポジティブに変換していくんですよね。

自分の人生を自分で選択し、自分で変えていくし、生きるも死ぬも自分で預かって進んでいく。そこは僕のバナナートと通じるなと強く感じました」と明かしてくれました。

バナナが傷みやすいことに気づいてバナナートの活動を開始

もともと、エンドケイプさんはクリエイティブにおいて「(既にそこに)あるものを変えていくのが好き」とのこと。

5年前のある日、バナナが傷みやすいことに気づいて「じゃあ、絵が描けるんじゃないか?」と試してみたことからこのバナナートの活動を開始したそうです。

作品をアップしているインスタグラムも人気ですが、一番うれしいのは「小学生にサインを求められること」とのこと。

確かに小学生にとって、針とバナナを自在に操り絵を刻んでいくエンドケイプさんはヒーローに違いありません。

バナナを食べ終わるまでがアート

バナナートは作ったそばから時間とともに傷んでいくのが大きな特徴。他の絵画や彫刻といった芸術と違い、保存が利かないのがつらい部分であり、その儚さも含めてアートの一部だと言います。

「以前、個展を一度開いたんですが、(どんどん作品が黒くなっていくので)しんどかったです(苦笑)。他の人の個展で値札や『売約済』とついてるのを見るとうらやましいですね。バナナートは売れないので…」

ちなみにバナナの保存に冷蔵庫はNG!

エンドケイプさんがいままで試行錯誤を繰り返す中で、現時点では「食品ラップに包む」というのが最も長く保存できる方法だそうです。

とはいえ、刻一刻と作品は黒ずんでいき、やがて真っ黒になってしまいます。

エンドケイプさんは自身の作品を最終的には必ず食べることを決めており「食べ終わるまでがアート」と語ります。

もちろん、輸入されたばかりのバナナ(日本で流通しているバナナの9割はフィリピン産だそうです)を使えばその分、長持ちはするのですが「描きやすさという点では、適度に瑞々しく、熟しきる前のものが一番。

あんまり青いと固くて描きづらいんです」ということで、悩ましい部分でもあります。

またバナナに触れる中で気づいたことも多いそうで「バナナって、針で彫ると、その周囲の部分が隆起して、色つやが確実によくなるんです。

それがどうしてなのか? すごい疑問で、解明したいんですよね。仮説としては、針で刺されたことを電気信号として周りの細胞に伝えるという防衛本能が働いてるんじゃないか? というのがありまして。

こんなこと、バナナートやってないとなかなか気づかないでしょうね(笑)」とバナナに対する探究心は尽きないよう。

そして作業を始めておよそ2時間弱でついにアートが完成!

しっかりと映画のタイトルも入れてくださいました。

針で突いて絵を彫ったとは信じられない、ポスターの図柄をそのままトレースしたかのような精巧な仕上がりに集まったスタッフ、映画関係者一同から歓声が上がっていました!

バナナート動画制作:LotusTV

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