木材をエサとし、木造家屋などを食い荒らすシロアリ。シロアリは人目を避けて行動しているため、実際に目にする機会はほとんどありません。暖かくなってきたこの時期、むしろ注意すべきはゴキブリのほうだし、街なかの築浅住宅であればシロアリ被害は心配ないだろう……と考えていたのですが、どうやら甘かった。新築から5年経ったらシロアリ被害にあう可能性があるという、意外と知られていない事実があるようです。

数万匹~100万匹で家屋を食い荒らすシロアリ!

「ターミニックス シロアリ駆除サービス」を行っているダスキンによれば、シロアリは数万~100万匹単位で生活をしているそう(イエシロアリの場合)。つまり家で1匹のシロアリを見つけたら床下などには100万匹がいるかもしれないということ! ゴキブリは「1匹見つけたら30匹いる」といわれるけれど、シロアリはざっとその3万倍です。そして100万匹が1日あたりに食べる木材の量は約70g。計算上は1年で約25kgにも達し、シロアリを長年放置していたら、家屋を破壊されてしまうでしょう。

シロアリ被害症例  

シロアリ被害による修理は費用が高額! 火災保険も適用外

そもそもシロアリはどこからやってくるのでしょうか? じつはクロアリと同じように地面に巣を作って、巣を拠点に活動しています。たとえ自宅に庭がない場合でも、近所の庭や公園に巣があれば同じこと。住民が気づかないうちに被害が広がっているパターンが多いそうです。

「日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合」の調べによれば、防除処理をしていない建物では約50%以上がシロアリ被害に遭っていて、処理後にある程度の期間が経っている建物は約30%以内、防除処理の保証期限内の建物は地域により0~18%の被害が確認されています(平均築年数19年)。新築住宅の場合、施工時にシロアリ対策を行うこともありますが、環境への配慮もあって、薬剤の効果は約5年。それ以降はシロアリ被害に遭う可能性があります。

シロアリ

数万~のシロアリが床下にいるという状況は考えるだけで卒倒ものですが、それよりも問題なのは被害が甚大だった場合の家屋の修理・リフォーム費用。火災保険に加入していても、シロアリによる被害は補償外で、「キャー気持ち悪い」を超えた現実的な恐怖が待っています。

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